建築家の文章は難解なのが多いが読みやすい。30年くらい前、横浜のウォーターフロントのセミナーで「ウォーターフロントに落下防止の柵が必要なら、駅のホームがよほど危ない」との発言があったのを思い出す。
エッセイではモダニズム建築の歴史だが、建築と利用者、建築と社会、日本(語)と英語(世界)、建築と時代からみた芸術とSocial Sustainability の対比などが観点だ。
村野藤吾の論評が詳しい、ゼネコンの設計・施工に「村野がかり」がいてあの作品を作ったというのはさもありなん。丹下健三もゼネコンとの協調があったとのこと。ゼネコンが日本建築を支えているとの見解だ。村野の「森吾商店(ポツ窓の名作、竹中のポツ窓にもつながる)から、貪欲な生への欲望と童心性を見抜く。また、村野の建築の柔らかさは数奇屋から出たもので「五感の世界」として触覚性、雰囲気があるとしている。卓見だ、そこが好きだ。
「個と全体」の対比、ジェイコブスの「意思ある個」の指摘は都市計画や普遍性の可能性、街並みと建築のあり方に及ぶ。また、奥宮、里宮、田宮など都市計画的同心円の広がり認知もある。
難しくなく、楽しく読める建築の著作として優れている。引用の文献もさすが知的だ
エッセイではモダニズム建築の歴史だが、建築と利用者、建築と社会、日本(語)と英語(世界)、建築と時代からみた芸術とSocial Sustainability の対比などが観点だ。
村野藤吾の論評が詳しい、ゼネコンの設計・施工に「村野がかり」がいてあの作品を作ったというのはさもありなん。丹下健三もゼネコンとの協調があったとのこと。ゼネコンが日本建築を支えているとの見解だ。村野の「森吾商店(ポツ窓の名作、竹中のポツ窓にもつながる)から、貪欲な生への欲望と童心性を見抜く。また、村野の建築の柔らかさは数奇屋から出たもので「五感の世界」として触覚性、雰囲気があるとしている。卓見だ、そこが好きだ。
「個と全体」の対比、ジェイコブスの「意思ある個」の指摘は都市計画や普遍性の可能性、街並みと建築のあり方に及ぶ。また、奥宮、里宮、田宮など都市計画的同心円の広がり認知もある。
難しくなく、楽しく読める建築の著作として優れている。引用の文献もさすが知的だ