またも愚妻と滋賀を、今度は長浜。都市計画では自発的街並み形成で有名。JRで京都から1,320円で1時間と少し。小旅行は楽しい。
駅の観光案内で5館を選んで入れる「長浜浪漫パスポート」(1,000円)を購う。長浜の歴史がわかる長浜歴史博物館を嚆矢とした。歴史ビデオで秀吉の大名として初めて一国一城の主となった長浜を理解。秀吉ゆかりの街や楽市楽座、船運などの産業、都市計画、お祭り、神社も知る。街中のマンホールも千成瓢箪模様なのは楽しい。
慶雲閣は季節の躑躅盆栽展示、火袋の四角い岩みたいな灯篭の大きいのが多い。船運で運んだのだろうか、不思議な庭園で植治(七代目小川治兵衞)作とあるが、全体構成や石組みなど奇妙だ。どう見ても揚水式以外に水があったとも思えない。( http://www.kitabiwako.jp/keiunkan/spot.html#anc-hontei ) 建物もガラス戸だが、障子を入れ替えたのだろう。近代ガラスで面白みがない。
街中には水路が巡り、こたえられない風景が多い。ふじ石亭の富士山の溶岩石にも驚いた。驚くべきは長浜タワービルだ。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%B5%9C%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%AB )
船板塀は趣がある。腰板にしては厚く、耐火より燃える危険性がある。火急の際は、下に落とす細工はあるのだろうか。また、商家の玄関は二重の扉となっているのはお作法どおり。長浜浪漫ビールの蔵を生かしたビヤ・ホールは蔵の趣がとても良い。大通寺はお東さん。
黒壁スクエアあたりは、京都の三条から蛸薬師、河原町から堺町くらいのエリアのスケールで、半分はアーケードも。ガラス細工、お肉、漬物、お菓子のお店が多い。ダック・ツアーもあった。空き店も多く、観光客もまあまあ居るかなという程度。コンパクトで京都の京極に近い。
むしろ周りにある施設や町屋が面白かったが、これだけ町屋が並んでいるのも珍しい。町衆の連帯を感じた。
お餅屋に「華束菓子」(1個20円)が売っていた。湖北の仏事には欠かせないそうだ。
町屋は軒の支えが京都と違い、二重の支えでしっかり。雪の重さに対応しているのだろうか。しっかり作って男性的なイメージ。
長浜曳山祭は秀吉に男の子誕生のお祝いの砂金が原資と聞いた。( http://www.biwako-visitors.jp/event/detail/182 )日本三大山車祭の一つとあるが、京都の祇園祭とは大きく違う。
曳山博物館で聞いたところ、長浜曳山は解体せず山蔵に、車が小さく硬い、1階の舞台と楽屋、2階の亭(ちん)が特徴。祇園祭は御霊会として鉾を象徴として病気を払う宗教的側面と町衆の見せる祭りの両面があるが、曳山祭は町衆の祭りとのこと。子供の歌舞伎や囃子(シャギリ)など、町衆の発展と資力を感じた。北国街道の要所であり、商取引や船運の拠点での繁栄を感じた。
参考文献:京都の神社と祭り(本多健一 http://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/s/%B5%FE%C5%D4%A4%CE%BF%C0%BC%D2%A4%C8%BA%D7%A4%EA )
最後に長浜鉄道スクエア。変な駅だと思ったら、汽船との連絡駅。鉄道と海運をつなぎ、マクロ的には北国街道の物資を船で大津まで運び、大津から京都への物資輸送の要となっていたようだ。琵琶湖の船運の要所であったのは秀吉の功績でもあろう。
楽しかった、次は湖西かな