都市と楽しみ

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岸田首相のリカンレント1兆円(5年間)に訝る:企業より大学教育に使うべきだ

2022-10-10 02:00:13 | マクロ経済

 企業が、終身雇用・年功序列制・退職金の3点セットにて企業に尽くす「就社」を高度成長期以降70年近く、2世代を越して続けてきた。ところが、今度はこのメンバーシップ制(4月採用、定期異動、OJT、職位のピラミッド構造)がJob制に変わり常時採用、転職、ICT対応、職務給とフラットな組織・チーム形成が前提と変化しつつある。野球から、サッカーへの転換のようなものだ。

 この教育対応には

①リカレント:企業が実施、ICT対応など 

②リスキリング:自分で勉強、生涯・最新教育対応

③高度な教育:大学などと社会人対応

がある。

 岸田としては、企業の手助けと給与アップには①リカレントが良いと思ったのだろうがそうはいかない。40代以上の出世の先が見えた社員などICTを学んでも挑戦する意欲が低い。学びのモチヴェーションがあまりない。必要不可欠なら対応するだろうが、その間の業務は止まる。

 例えば、医薬の黒字リストラは、新しい商品の提案力と説明力のあるMR確保を狙っている。KKD(経験・勘・度胸)や、GNN(義理・人情・浪花節)営業しかできない人材は、新規の製品マーケティング能力がないためリストラされる。

 このような世代にリカレントは効果がない。むしろ、リストラと再就職支援、学び直し支援の②リスキリングの方が切迫感もあり効果的だ。ただし、50代で難関資格(弁護士、会計士など)を取得しても職務経験がないため、「新人」の給与だ。

 

若い世代はいろいろJob制で②リスキリングにて資格や知識を増やし、自分の価値を高めようとする。ここへの補助は効果があると考える。つまりは、社会人学習の補助だ。育児対応として、学習者の保育園などへの優先入園も効果的だ。

 

さらに、③の高度な教育について、我が国では大学教育への公的支出の割合が低い。OECDの先進国ではGDPの6%程度が、我が国は4%以下しかない。( https://www.oecd-ilibrary.org/sites/12d19441-ja/index.html?itemId=/content/component/12d19441-ja )これが、教育の内容の低下と、教育格差の拡大(つまりは所得格差の拡大)を生んでいる。( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/44ef3f721ffd27d5fdccb7f3a39271a6 )

また、社会人MBAなど、再教育も更なる補助の対象としたい。世の中、VUCA( https://mba.globis.ac.jp/careernote/1046.html )の時代、自分を守るために「考える」力が必要だ。また、今後の基礎研究などノーベル賞候補を育成する研究者の育成・雇用が必要だ( https://agora-web.jp/archives/221002020345.html )。

 岸田は短期的なバラマキ政策提案が多く、長期に我が国を良くするような政策や思考がないのではなかろうかと訝る

 早稲田の「進取の精神」を全く感じない、聞くだけでなく考えよ

コメント
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