沖縄の特殊飲食街(売春)の調査は、長く、暗く、渾身の著作だ。知見は:
・2010年真栄原町(栄町料亭)の浄化運動(市と警察・市民の共同パトロール・説明会)での廃業
・敗戦後、米軍の性犯罪(レイプ、殺人)と沖縄の困窮(戦争未亡人が多数、「特殊夫人(売春婦)」になる)
・米軍基地と特殊飲食街の共存→出島と丸山遊郭(駐留する外国人の性的要望とサーヴィス提供での売上を狙う都市産業)の関係に似ている
・取締と経済のダブル・スタンダード、八重島が発祥(米軍が後押し、RAAはなかった(橋下徹の論説は間違いとの指摘))
・貸し間の借り方は多様(ちょんの間用)、5千円(当時の5ドルに相当:処女は10倍)/15分、6~7割が売春婦の取分と割が良い
・ヤクザとの関係は薄い(工事関係での口銭が主体、工事減少によりヤクザも減る)、ヒモはいる(結婚しても働かない旦那)
・「19の春」(田端義夫)をうたったアケミ(映画「モトシンカカランヌー」売春婦のドキュメンタリー映画(NDU))
・売春婦は「性の防波堤」ではなかった、沖縄自体が日本の米軍からの「防波堤」となった
・売春は必要悪、アメリカ軍御用達のお墨付きがAサイン、危険となるとオフ・リミッツとされ立ち入り禁止に
・ベトナム戦争(1965~75)は出撃基地となり出兵(不安を持つ)により売春特需、白人と黒人対象の特殊飲食街に別れる
その後
・バブル景気以降は日本人ツアー対応のデートクラブ・ラブホテルのセットもありぼろ儲け
・ネットでの情報により近年は日本人相手、女性も日本各地から集まり儲けて帰る状況だった
沖縄にこんな裏があったとは、一読をおすすめする