都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

円安と株価の高さは不可解だ:ミンスキー・モーメントを待つしかない

2022-11-07 02:06:58 | マクロ経済

 90年に留学から帰ってきた。当時は130円/$であった。これは日米の物価を考えると相応だったと感じていた。

 その後、我が国のCPI(消費者物価指数)の上昇はほぼ0だった。アメリカでは平均2%以上のインフレがあり30年で倍増になる。となると65円/$が正しいことになる。( https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&e&s=&ym=Y )

 いくら、アメリカのT-Bond( https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-US10YT%3DXX%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on )が4.2%に上がり、我が国が0.25%( https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-JP10YT%3DXX%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on )

にしても、2022年のインフレはアメリカ8%、我が国2.5%なら実質ではアメリカの方が実質金利は低い(実質金利:金利‐インフレ)ことになる。

 しかし、日銀が、景気悪化と保有国債540兆円の含み損懸念により利上げができない(やるとすれば政治判断の後ろ盾が欲しい、また黒田総裁も来年春の任期満了まで動く様相がない)ため、利回りの劣る通貨として売り浴びせにあっているとしか思えない。

 また、低利のため株価は維持されている。3%近いインフレであれば0.25%の国債の利回りは実質マイナスになり、借りられるだけ得だ。この資金で当面値上がりを期待しているためアメリカの株価下落に比べ、我が国の株価はあまり下がらない。これは投機に近い。

 世の中、コロナ禍により経済が3年近く停滞、ロシアのウクライナ進行により小麦など原材料が高騰、さらに日米摩擦により交易の利得が減少、中国経済は低迷ならば株価が上がる訳がない。アメリカではITC系のリストラが始まり、住宅価格も下落だ。

 誠に不思議だ。リーマン・ショック前夜のような不気味さを感じる。債券(利上げで価格下落)も、株式(利上げで当然下落)も、海外通貨(円高になると差損)も投資にリスクがある。

ミンスキー・モーメント( https://en.wikipedia.org/wiki/Minsky_moment )を待つしかない

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする