GAFAの分析かと思うとそうではない。筆者はシリアル・アントレプレナー(連続起業家)、かつNY大学スターン・スクールの教授で、企業役員を兼任している。日本でもこのような教授が増えるだろうと30年前予測していたがそうはならない状況だ。
実業での経験を生かして、4つの会社(GAFA: Google、Amazon、Facebook、Apple)と業界分析、競合会社と優位性を分析している。さらに、成功する起業家になるための要点までまとめている。
知見は:
・アメリカの商業は、デパート、ショッピング・モールの隆盛(1987)と終焉、大規模小売店(ウォルマートなど:より安く、より多く)、専門店(ホールフーズ・マーケットなど:高級志向、SPAのGAPなど)
・アマゾンは、軍隊用語の見る(Observe)、分かる(Orient)、決める(Decide)、動く(Act)のOODAループ( https://en.wikipedia.org/wiki/OODA_loop )
・ストーリー・テリング:ビジョンと成長を利益の代わりに提供、エリートでクールな仲間に加わる→普通は利益が株主へのヘロイン
・アップル:マーケット・シェアは低いが利益は高い→ジョブズの商売戦略、高くてもデザインが良く、消費者ターゲットのぜいたく品のポジショニング
・中産階級の減少でもアップル・ストアで取り込む
・フェイスブック:初めはアイヴィー・リーグで高級感、edu.アドレス、本人確認と共有の義務付けで上品さ、ユーザーにコンテンツ作成、コミュニティの所有者にはなれず間借り人を増やす、人間関係情報を行動変化として分析、
・グーグル:Don’t be evil 、かわいらしさ
・地の利:世界的な工学系大学に自転車で通える距離にある、都市部で起こる、企業はアーバン・キャンパスでひげ、タトゥー、工学の学位の若者を優先( 参考: https://www.americasurbancampus.org/ )
・リンクトイン:広告、法人リクルーターへの料金、個人ユーザーへの定額サービス料金と3つの収益源がある、但しビジネスに特化
・成功要件:心理的成熟、好奇心、当事者意識、資格、何かを成し遂げた経験、都市に出る、キャリアを良く見せる、組織でなく人に誠実に、好きなことでなく得意なことでキャリアを磨く(プロになる)、不満を口にしない(いい生活で見返す)、平均に回帰する(いつまでも幸運は続かない)、あなたのスキルを評価してくれるところに行く(何を企業は評価しているか調べる)、セクシーな仕事は儲けが少ない、頑強さ(健康と運動)、助けを求める(若い者を助ける癖、種をまいておく)
・アントレプレナー(ストーリーテラー兼セールス・マン:リスク許容度が高い、売込ができる、無分別)ー→ビジョナリー(組織構築)→オペレーター(ビジネスを完成、誠実)→プラグマティスト(衰退対策、コスト・カット、売却など)
・人生の喜びは子供と作った会社→それと弟子と思う
・少数の支配者と多数の農奴の時代に変容→格差が企業、人材で拡大
楽しめる、お薦めだ