昨年は360冊、予定より多いが、つまらない本も多かった。最近の出版は面白さがないもの、読みにくいもの(特に翻訳もの)、暗くて長いミステリなどもあり玉石混合であり、読み始めてあわないとなると止めることにしている。なかでも、北欧のミステリは一部を除いて合わないと分かった。またホラーものも好きではないため選ばないようにしている。<o:p></o:p>
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その中で、読んで楽しく、ためになるのがいいと思っている。ミステリでは刑事ものが多い。これは本格推理というより、現実感を求めて書きやすいからかもしれない。下記にはいわゆるネタバレもありますので悪しからずご了解下さい。<o:p></o:p>
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輝く大勝はユーモア・ミステリだ。<o:p></o:p>
「黄色い水着の謎」 奥泉光 芥川賞作家の大笑いできるクワコー学園もの、ボーコー大も凄い、今の大学の実情なのかも。テレビ・ドラマにもなっているらしい。<o:p></o:p>
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おなじくユーモアで笑える著作では<o:p></o:p>
「ウィンター・ホリデー」 坂木司 続編、ヤンキーでホストあがりの父が宅配になり、人情と息子の間で元内縁の妻とも、暖かく楽しめる<o:p></o:p>
「トッカン the 3rd: おばけなんてないさ:」 高殿円 楽しめる、お化けとは色々な場面ででてくる、円熟の連作でテレビ・ドラマにもなっている<o:p></o:p>
「任侠病院」 今野敏 病院建て直しと暴力団排除の対応、笑えるヤクザもの<o:p></o:p>
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最近、流行の書籍関連ミステリでは<o:p></o:p>
「ビブリア古書堂の事件手帳1~3」 三上延 ひそやかでしっとりした古本屋の女主人とフリーター、謎と推理 鎌倉の雰囲気が良い<o:p></o:p>
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刑事・検事ものでは<o:p></o:p>
「検事の本懐」 柚月裕子 連作の佐方検事もの、暖かく、読み応えがある、佐方の経歴が驚きだ<o:p></o:p>
「所轄魂」 笹本稜平 警部補の父と管理官の息子、水際連続殺人の容疑者を陥れる真犯人、警察内部の所轄と本部の確執、うまい<o:p></o:p>
「暗闇で踊れ」 馳星周 刑事もの、姉と弟が詐欺をはたらくピカレスクロマンと氷の心の刑事、破滅へ<o:p></o:p>
「スクエア Ⅰ、Ⅱ」 福田和代 刑事とドンつきのバー、謎のバーテンともとボクシング・チャンピオンが居て麻薬事件を解決<o:p></o:p>
「アウトクラッシュ Ⅱ」 深町秋生 女刑事がハチャメチャな活躍、メキシコからの刺客を返り討ちで旦那の自殺の裏を暴力団から探る<o:p></o:p>
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大御所の著作では<o:p></o:p>
「無罪」 スコット・トゥロー 堂々たるリーガルミステリー、「推定無罪」の後編、上手い、どんでん返し、哀しい、妻の気持ちも分かる(夫の浮気と息子の彼女が同じとは)<o:p></o:p>
「紳士の黙約」 ドン・ウィンズロウ サーファー人生、仲間、策略とそれを乗り越える知性、方策、楽しい<o:p></o:p>
「バーニング・ワイアー」 ジェフリー・ディーヴァー ウォッチメーカーが電気に目覚める、バネがきっかけでどんでん返し、見事<o:p></o:p>
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出物が多いノン・フィクションでは<o:p></o:p>
「OPEN」 アンドレ・アガシ ブルック・シールズの祖父もテニス、グラフの父もテニス、アガシの父とのやり取りは傑作、グラフのバックがWハンドなら倍は勝てたというのも<o:p></o:p>
「炎上」 中部博 1974年の富士スピードウェイの事故を時代、企業、人、業界内のしきたりから解き明かす<o:p></o:p>
「伝説の「どりこの」」 宮島英紀 一世風靡し、戦後になくなった砂糖が原料で講談社が売った飲料、宣伝が面白い、楽しいルポ<o:p></o:p>
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科学の教養では<o:p></o:p>
「重力とは何か」 大栗博司 分かりやすい、重力がわかって、ビッグバンとトポロジーも関係ある<o:p></o:p>
「超訳「哲学用語」 」 小川仁志 分かりやすく、哲学の流れがよく分かる。使用例やマンガも良い<o:p></o:p>
「偶然とは何か」 イーヴァル・エクランド 偶然の内容、乱数、経済学の不安定な確率や前提、複雑系を神話とともに<o:p></o:p>
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経済学では、古いが<o:p></o:p>
「ヤバい経済学」 スティーヴン・D.レヴィット、スティーヴン・J.ダブナー<o:p></o:p>
「超ヤバい経済学」 スティーヴン・D.レヴィット、スティーヴン・J.ダブナー <o:p></o:p>
計量マイクロ経済学で、相撲のいかさま、不動産仲介の謎と働き、情報の価値とネットの進展など実例を調べるのが面白い、ひつこさがなんとも言えない。<o:p></o:p>
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この他、「飛田新地」や「ラブホテル」など色街ものに面白いものがあった。今後の都市計画系論文もこういうのが増えると面白い。一種の都市史だ。<o:p></o:p>
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今年は読む範囲を広げ、冊数より良いと思う本に絞るようにする。また古いミステリなども手をつけよう<o:p></o:p>
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