実は
ブリューゲル展よりも楽しみにしていたのが、この特別展
全タイトルは「棺に入ったトガリネズミのミイラとその他の貴重な収集品」
ウェス・アンダーソンとパートナーのジュマン・マルーフがハプスブルク家の膨大なコレクションから独自のセンスで選び出し配置した貴重品の数々です
詳しくはこちらを御覧ください

展示品を紹介するパンフ

デザイナーであるジュマン・マルーフの素描が薄い色なので、スキャン画像を暗くしてあります
美術史博物館入り口
先ずは小さな棺に突進しました
残念ながら中身は見られません

あるいは保存状態が悪いのかも知れません
トガリネズミさんのミイラを納めた小さな棺は紀元前4世紀のエジプトのものです。
誰かがペットとして可愛がっていたのでしょうか?
ヒョウとワニ
ヒョウは20世紀初頭のカメルーンのもの、ワニはパプア・ニューギニアで1974年に作られたものです。
ネズミ、カメ、ハリネズミ
左端の点のようなネズミは紀元1~3世紀頃の古代ローマのもの、カメは16世紀後半南ドイツ、ハリネズミは紀元前600~580年頃の古代ギリシャのものです。
ハリネズミ、カメレオン、牡羊の頭部、トガリネズミ
カメレオンは20世紀初頭のカメルーン、牡羊の頭部は紀元前1150年頃の古代エジプト、トガリネズミは紀元前664~525年頃の古代エジプトのものです。
もう一度トガリネズミと点のように小さいカエル
カエルは紀元1~3世紀頃の古代ローマのものです。
猫さん
18世紀ドイツで制作された猫さん、ずいぶん後肢が長いですね
第一次大戦後に王朝が崩壊して以降の所蔵品は、美術史博物館が収集したものです。
ウィーンの美術史博物館は、日本では美術史美術館と呼ばれることが多いですが、実際には考古学的出土品、古楽器、古い武器などもあり、博物館と言うべきでしょう。但し、多くの人はブリューゲル・コレクションの有名な絵画部門しか見ないので、美術館という印象が強いのでしょう。
続く・・・
追記:ウェス・アンダーソンとジュマン・マルーフは、展示品のみを対象に選んだのではありません。保管庫で長く眠っていたものも含めて全ての所蔵品から選んだのです。今回展示されている小品の多くは、眠り姫のように長い歳月ひっそり保管庫に納められていたのでしょう。ハリネズミの棺は古代エジプトの誰が、どんな思いで作った(作らせた)ものでしょう。その小さな棺が、どんな長い旅路を経て、ハプスブルク家の収集家の手にはいったのでしょう。不思議なロマンとファンタジーの世界が広がります。