大変長らくご無沙汰しましてごめんなさいです







数日で済む予定が、割り込み仕事が続きまして・・・

えー、では気をとりなおしまして・・・今回はオカとオコの話でございます

パリオで有名なシエナで、非常に危険な裸馬による競馬に参加する資格を有するのは17のコントラーダ(地区、日本風に言えば、善隣組合、町内会)。
騎手同士で殴り合っても良い、事前に談合しても良い、という、かなり野放図なルールのところも変わっています

追記:普通の競馬では騎手が落馬したら、馬だけ最初にゴールしても優勝とは認められません。パリオでは鞍も鐙もない裸馬なので騎手の落馬は良くあります。そのためか、パリオでは馬だけでも最初にゴールすれば、そのコントラーダの優勝となります

パリオで一番優勝回数の多いコントラーダはオカ(ガチョウ)です。
オカの旗

優勝するとコントラーダでパレードや祝賀パーティーがあります(オカのパレード)

以前シエナのダンテ・アリギエリで集中コースに通ったとき、クラスの先生に「コントラーダのシンボルにガチョウなんて可笑しい」と言ったところ、「ガチョウは気が荒く、古代ローマでは番鳥(番長ではない)や軍鳥(郡長ではない)に使われていたのですよ」と教えられました。
但し、オカには別に「アホ」という意味もあるのだそうです。A語尾は女性形(マリアとマリオ、ジュリアとジュリオなど)。するとアホは女だけ?ということはないはずだから「男の場合はオコですか?」と言ったのですが先生に「ダメ」と却下されました

ここでも「文法は現実より弱い」ということを悟ったわけです

文法は文学にかなわないという体験はこちら

ところで、イタリア語のオコ(アホ)は却下されましたが、日本語では、アホを意味する烏滸(オコ)がありますね。
「烏滸がましい」とか「烏滸の沙汰」という形で使われます。







私がシエナ大好きなことは以前にもアップしていますが、集中コースのとき住んでいたコントラーダはイストリーチェ(ヤマアラシ)。
イストリーチェの旗

シエナ最北部のコントラーダで、フィレンツェとトスカナの覇権を争っていた頃、フィレンツェ軍が攻めてくると先ず襲われるのはイストリーチェで、住民が「我々はまるでヤマアラシだ」と旗のシンボルにしたのだとか・・・
イストリーチェは良い響きですが、ドイツ語だとシュタッヘルシュヴァイン(トゲブタ)

以上、画像は全てウィキ・フリー画像です。
日本語ウィキの記事は簡単なので、詳しくは英語版でご覧ください。
Palio di Siena(記事の終わりに迫力ある写真があります)
Contrade di Siena(ここにもステキな写真あり)
各コントラーダの記事はイタリア語だけ(でも写真が面白いです)
オカ:Nobile Contrada dell'Oca
イストリーチェ:Contrada Sovrana dell'Istrice
イモムシを旗に描いているコントラーダもありますが、これは「お蚕」さんで、経済的に重要だったからではないか、というのが私の勝手な推定です

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます