みみずのしゃっくり

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我が名はウサギ

2022-12-31 | ことば


来年は「ウサギ年」だそうで・・・ウサギさんに登場してもらいました

「私の名前はウサギです」というのはドイツ語の慣用句を直訳してもので、「私は何も知りません」という意味です






決してウサギさんを馬鹿にした差別慣用句ではありません。
「私はウサギです(イッヒ・ビーン・ハーゼ:Ich bin Hase)」ではなく
「私の名前はウサギです(マイン・ナーメ・イスト・ハーゼ:Mein Name ist Hase)」であることがポイントです。

この慣用句には歴史的背景があります。
1855年のこと。ハイデルベルク大学の法学部学生ヴィクトール・ハーゼ(Viktor Haseそういう姓があるのです)が、知人に学生証を貸しました。
この知人は、当時まだ一般的だった決闘で相手を撃ち殺し、ハーゼの学生証を使って国境を通過、フランスへ逃げました。

今では不可能ですが、当時は写真も無いし、ましてやコンピューターも無いので、他人の身分証明書が簡単に流用できたわけです。

しかし、この決闘勝者(血糖症者ではない)はハーゼ君の学生証を紛失しました。不注意ですね

学生証はハイデルベルク大学の裁判所に送付されました。
当時は大学の裁判所なんてものがあったのですね

で、出頭したハーゼ君は「私の名前はハーゼです。質問全般を否定します。私は何も知りません」と言ったのです。
原文:Mein Name ist Hase, ich verneine die Generalfragen, ich weiß von nichts!
(マイン・ナーメ・イスト・ハーゼ。イッヒ・フェアナイネ・ディ・ゲネラルフラーゲン。イッヒ・ヴァイス・フォン・ニヒツ)

この明快な発言が、中の部分を省略し、慣用句として普及しました。
つまり本来の慣用句は「Mein Name ist Hase. Ich weiß von nichts」なのですが、更に略されて「Mein Name ist Hase(私の名前はハーゼです)」だけで「何も知らない」という意味で使われるようになりました。

出典


来年こそはパンデミックも戦争も終わって健康で平和な年になりますように







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