みみずのしゃっくり

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ハイファへの帰還

2023-10-17 | その他


イスラエルパレスチナの間の武力衝突が再発し、イスラエルは「公式に戦闘状態」であることを宣言しました。
この思いがけない(実は当然の)国際情勢の展開で、ある意味で大きな被害を受けているのはウクライナだと思います。
新聞HPを見ても、ちょっと前まで常に国際面の最大テーマだったウクライナが影をひそめ、もっぱらイスラエルとパレスチナの動向が大きく報道されています。

世界各地でイスラエル支援とパレスチナ支援の集会やデモが行われています。
私の場合は、イスラエルとパレスチナとウクライナ3国を全部、応援したいのです。
そしてダマスカス滞在中のことなど思い出したりしているうち、久々にカナファーニを思い出しました。
カナファーニについては太陽の中の男たちで紹介しています。


ドイツ語訳されている「ハイファへの帰還」原語版




もう100年を超えるイスラエル・パレスチナ紛争の中で、パレスチナ難民の故郷への一時帰還(一時的な訪問のみで住めるわけではない)が認められていた時期がありました。
この機会を利用してあるパレスチナ難民の夫婦が故郷のハイファを訪れます。この夫婦はハガナーエツェルの奇襲で、着の身着のままの状態で逃げる途中、幼い我が子を見失ったのです。
ハイファへ戻ってみると自宅は無事でしたが、そこにはユダヤ人夫婦が住んでいます。しかも、ユダヤ人夫婦が拾って育てたという若者は、難民夫婦が見失い生き別れになった息子だったのです。息子はイスラエル軍の兵士で「祖国」を守る強固な信念を持っています。その若者は本当の両親の登場で混乱します。難民夫婦は失意のうちに去ります。
この物語の最大の被害者は、アラブ人でありながらユダヤ人夫婦に育てられ、自分をイスラエル人と信じていた息子ではないかと思います。

イスラエル、パレスチナ、ウクライナに一刻も早く「正しい平和」が訪れますように・・・


一番罪深いのは第一次大戦中に相互に相いれない3つの約束をし、委任統治領パレスチナを逃げるように放置したイギリスだと思います

3つの相いれない約束
サイクス・ピコ協定
フセイン・マクマホン協定
バルフォア宣言




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