11月に開く予定の第35回野草(イエツアオ)展のテーマである角兵衛獅子のことが知りたくて本を読んでいる。
大佛次郎の”角兵衛獅子”、吉川英治の鳴門秘帖、山田風太郎の江戸忍法帖は美空ひばりが歌った”角兵衛獅子の歌”とよく似たとらえ方で貧しい境遇に生まれたこどもたちが大人社会で生きることが書かれていたが有島生馬の”蝙蝠のごとく”は場所も外国で内面的なことが書かれ2種類のとらえ方を読めれば一応完了としなければと思っている。
相互貸借りで香川県立図書館より借りていただいた有島生馬全集は古色蒼然としたブルーのハードカバーの本だった。
蝙蝠のごとくが描かれたのは大正時代だが全集は昭和7年12月1日発行で価格は2円五十銭と古い漢字で書かれている。
見た目におじけづき短編集なので”蝙蝠のごとく”だけを2~3回読み返すつもりだったが明治、大正時代の息吹が感じられるようで次々と興味深く読み終えた。
良い本に巡り合えた。