フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月3日(日) 晴れ

2009-05-03 13:09:44 | Weblog
  9時半、起床。川越から妹が一人でやってきて、午後から母と横浜見物に行くという。毎年、母の日の頃の、母と娘水入らずの恒例の行事である。
  午後、インターネットをADSLから光に変更したので、不要になったADSLのモデム(レンタル)を指定された掛川市のNEC関連の会社に近所のコンビニから宅急便で返送して、その足で散歩に出る。「テラスドルチェ」で昼食(スパゲッティカルボナーラと珈琲)と読書。
  少し前のフィールドノートで、目蒲線沿線で下車したことのない駅はないはずと書いたが、あとでよく考えてみたら、目黒の一つ手前の不動前は降りたことがなかったかもしれない。高校のときのクラブ活動でしょっちゅう目黒不動尊(龍泉寺)までランニングをして、境内でトレーニングをしていたので、お馴染みの場所という気がしていたが、駅そのものは降りたことがなかったかもしれない。ちょうど『剣客商売』を読んでいるところでもあるので(江戸の地名がたくさん出てくる)、目黒不動に行ってみるかという気分になった。
  10年ほど前に目蒲線は目黒線(目黒-日吉)と多摩川線(蒲田-多摩川)に分割され、蒲田から不動前に行くには、多摩川で乗り換えないとならない。多摩川線の駅舎は昔ながらの風情を残しているところが多いが、目黒線の駅舎はどこもすっかり変わってしまった。地下鉄の三田線や南北線との直通乗り入れのため、ホームの拡張工事が必要となり、それにともなった駅舎の地下化や高架化が行われたためである。大部分は地下化で、そのため、なんだか地下鉄に乗っているような感じがする。不動前は高架化されたが、以前の小さなホームとは様子が一変しており、読書をしていたせいもあるが、不動前とは気づかずに目黒まで乗り越してしまった。

         
                  これが不動前の駅だなんて・・・

  駅前の商店街は「不動前駅商店街」という。普通は「○○駅前商店街」となるところだが、駅の名前が「不動前」なので「不動前駅前商店街」では「前」が重なって具合が悪いのであろう。この商店街は目黒不動尊まではつながっていない。途中で切れて、住宅街の中の道となり、そこをしばらく行くと門前町の面影を残した「目黒不動商店街」の一方の端に出る。

         
           一見すると寿司屋さんだが、実は、自転車修理屋さん

         
                門前町にお蕎麦屋さんは欠かせない

         
               「門脇」という名前が門前町にふさわしい

         
                 乾物屋さん? 店の雰囲気がいい。

         
                 通りの向うが目黒不動尊の入り口

  目黒不動(龍泉寺)は江戸五色不動の1つだが、地名と結びついているのは目黒不動と目白不動(金乗院)の2つだけで、目赤不動は文京区本駒込(南谷寺)、目青不動は世田谷区太子堂(教学院)、目黄不動は台東区三ノ輪(永久寺)にそれぞれある。いずれも本尊は不動明王だが、目の色が五色をしているわけではなく、五色は方位(東西南北と中央)を意味し、三代将軍家光が江戸城の鎮守のために配したものである。・・・こう書いていると、なんだか池波正太郎にでもなった気分がする。
  悪霊、物の怪に対するガードという点では、寺院の内部も同様で、仁王像や狛犬はガードマンであり番犬である。寺院というのは古来そういう場所なのである。何重にも張り巡らされた結界の中で、おばさんと孫娘、親子、夫婦などがのんびりと時を過ごしているのである。

         

         

         

         

         
        「ドラゴンボール」の中に出てきませんでした? こんな感じの奴        

         

         

         

         
 
  仁王も狛犬も一対のもので、一般に、向って右側が口を開いた「阿形(あぎょう)」、左側が口を閉じた(ただし狛犬の場合、歯は見えている)「吽形(うんぎょう)」である。いわゆる「阿吽の呼吸」というやつで、前者は怒り(感情)を面にあらわし、後者は怒りを内に秘めると説明されたりするが、どうみても、おっかない顔であることに変わりない。

         
                        阿形

         
                        吽形