フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月20日(水) 晴れ

2009-05-21 00:09:53 | Weblog
  9時、起床。本当はもっと前に目が覚めているのだが、この頃は慢性的に寝不足気味なので、少しでも長く寝ていようというわけである。ブログを更新して、朝食はとらずに10時ごろ家を出る。朝食をとらなかったのは、11時からの大学院の社会学コースの会議でお弁当が出るからである。朝食と昼食の間隔は5時間くらいというのが私の日常で、だから昼食の出る会議があるときは朝食は抜きで出かけるのである。地下鉄の駅から大学までの道で、同僚の長谷先生と一緒になる。「毎月、GWがあるといいのにね」と私が言うと、「子どもみたいなこと言いますね」と笑われる。長谷先生に「子どもみたい」と言われててショックだった。私としては相手のレベルに合わせて会話をしたつもりなのに・・・。
  11時から始まった会議は2時近くまでかかり、続いて2時から始まった教授会は6時までかかった。合わせて7時間。長かった・・・。途中、何度か意識を失う。教授会を終えて、研究室に戻る途中で、生協の前の自販機で「とろとろ桃のフルーニュ」の缶を見つけて、階段のところで風に吹かれながら飲む。私の演習を受講している女子学生が側を通って、珍しいものを見るようなまなざしを私に向けた。よく見ておきなさい。これが戦士の休息だ。

         
                   缶入りがあるとは知らなかった

  地下鉄に乗って、妻に「今から帰宅します」とメールを打つ。すぐに返信があり、「ラジャー」と書いてあった。以前は「了解」が多かったが、最近はもっぱら「ラジャー」である。しばし液晶画面を眺め、「ラジャー」の前に「ブ」を付けて返信してみる。再度の返信はなかった。私としては「アホか」とツッコミがほしかった。
  昨日、大学からの帰りに丸の内ピカデリーで『60歳のラブレター』という映画を観た。団塊の世代の3組の男女の物語で(私が一番惹かれたのはイッセー尾形と綾戸智恵が演じた魚屋の夫婦だった)、そこでは手紙が重要な小道具になっている。実際、夫婦で手紙のやり取りをすることはまずない。しかし、メールのやりとりならよくある。でも、文面は短いもので、帰宅時間の問い合わせや買物の依頼がほとんどだ。私としてはそこにプラス・アルファがほしい。「いまから帰ります」「ラジャー」「ブ >ラジャー」「アホか」。60歳の(まだ5年あるけど)夫婦漫才メールだ。
  頼近美津子さんが亡くなった。53歳だった。忌野清志郎さんは58歳だった。面識のある方では2月に亡くなったお茶の水女子大学の御船美智子さんは55歳だった。自分の年齢に近い人が亡くなるとしんみりした気持ちになるが、このところ、ずっとしんみりしている。大手町で乗り換えるとき、しんみりと歩いていると、疲れた表情の男女の中で、ときどきさっそうと歩いているサラリーウーマンを見かける。朝ならわかるが、夕方なのにすごいなと思う。心持ちこちらも背筋が伸びる気がする。
  夜、東京で新インフルエンザの感染者が出たというニュースが入ってくる。関西からの感染拡大ではなく、海外からの帰国者だった。本日の教授会でXデー(休校措置の発動)を想定した種々の説明があったが、リアルな話になってきた。

         
                 アイスの実を食べて冷静になる