7時、起床。フィールドノートの更新をしてから、ハムトーストとアイスティーの朝食。3月16・17日の0次登録についてのガイダンス・メール(現代人間論系の学生向け)を作成する。月曜日に送信する予定なので、いま、これを読んでいる現代人間論系の学生は、今日のうちにワセダネットのメールサーバーが容量オーバーになっていないか(それだとメールを受信できない)チェックしておくように。
午後、小雨の中、散歩に出る。「鈴文」で昼食(ランチのとんかつ定食)。「鈴文」に行く途中にある「オレンチーノ」の前を通ったとき、店員さんが窓越しに通りを眺めていた。生憎の雨で、客足が悪いのだろう。目を合わさないようにして通り過ぎる。「鈴文」には私のほかに3人の客がいた。若い男女のカップルは、とんかつを待っている間、一言も話をせず、じっと主人がとんかつを揚げるところを見つめている。かなり気合が入っているのがわかる。そして運ばれてきたとんかつを、女性の方は、塩で食べた始めた。練達の者とみた。とんかつを塩で食べる場合、塩は衣にではなく、肉の断面に振りかけるのがよい。とんかつソースは衣にかける。醤油はどちらもありだが、私は塩と同じよう肉に直接かける。お勘定のとき、いつもの女の店員さんが、
「この後、喫茶店ですか」と聞いてきた。私が、
「どうしたわかったのだろう」という顔をしたら、
「この前、駅前の二階の喫茶店に入っていかれるところを見ましたわ。澄ました顔をして」と言った。澄ました顔ってどんな顔だろうと思ったが、そこには触れず、
「二階の喫茶店? グッディのことかな」
「そう、グッディ。あそこはあまり知られていないけれど、いい喫茶店よね」
「レトロな雰囲気でね」
そんな会話を交わしたので、店を出て、迷わず「グッディ」へ食後の珈琲を飲みに行く。客は私一人だった。持参した小池真理子『東京アクアリウム』の中の「二匹の子鬼」という短篇を読む。