8時、起床。
ハムサンドと紅茶の朝食。
11時頃家を出て、大学へ。
東京ステーションギャラリーは次回の展示会まで休館。
次回の展示会は「ジャン・フォートリエ展」。5月24日(土)から7月13日(日)まで。
12日ぶりのキャンパス。
先日の地震のときに床に落ちたと思われるICレコーダー。本は落下していなかった。
昼休みは読書会の相談。定刻通りに来たのはNさん1名で、これでは読書会としては不成立だねという話をしていることろにEさんとKさんが現れて、では、この3名でスタートしましょうとなる。お茶を飲みながらしばらく社会学的雑談。最初に読む本は拙著『日常生活の探究』(左右社)。毎週、水曜日の3限に研究室で行う。
昼食は「メルシー」のタンメン。
4限はゼミ論個別相談。IさんとAさんの二人の予定だったが、Iさんが体調不良で金曜日の昼休みに延期になったので、今日はAさん一人だけ。本日の
スイーツはAさんがGW中に行った北海道旅行のお土産のチョコレートをコーティングしたポテトチップス。
夕方、書家のTさんが依頼の品をもって現れる。先月の句会に出した句を書にしてもらったのである。半紙に書いてもらったのだが、行分けの仕方や、漢字仮名の表記の仕方はTさんにお任せした。
さて今日のお八つは草餅桜餅 たかじ
これが一番苦労したという。三行に分けて書かれているが、五・七・五で分けたわけではない。各行の書き出しの位置も一定ではない。「草餅桜餅」はひとかたまりにして三行目に配し、「桜」を正字の「櫻」にして、二つの「餅」はくずしのレベルを変えてある。
これを店内の壁に掛けてくれる和菓子屋さんはどこかにないだろうか。「草餅桜餅」の部分は季節に応じて差し替え可能です(笑)。
春服や会いたき人に会いに行く たかじ
半紙を横に使って、4行に分けて書かれている。もし五・七・五の三行に分けて書くと、二行目と三行目の先頭に同じ「会い」が並ぶことになり、書としてはよろしくないので、それを避けるための工夫である。全体として文字を半紙の中央に集めて、余白の部分を大きくとったのは、「会いたい」という凝縮された思いが、これから、「会いに行く」と外に向かって広がって行く感じを表現するのに効果的である。
幾年をめぐりて今日の春の月 たかじ
4行に分けた上で、「今日」を「けふ」と旧仮名で表記した。半紙も他の作品で使ったものとは違って渋みのある色合いで、還暦の句らしさを演出している。
芽吹き頃姪の言の葉あどけなし 恵美子
これはTさん自作の句を書にしたもの。落款は「恵美子の句愉咲かく」となっている。「愉咲(ゆしょう)」は書の号。句作のときは本名の「恵美子」で行くと決めたようである。Tさんは「恵美子」という平凡な名前が子供のころから好きではなかったが、いま、それを受け入れる気持ちになっと最近のブログの中で書いている。
名前を持ってから30年経とうとしている今、ようやくその乖離が埋まろうとしている。
良し悪しでも、好き嫌いでもなくて、ただ自分がそれであるという事実を認めようとしている。
自分を自分の名前で名乗ること、ただそれだけのことがようやく今になって腹落ちしてきたのだ。
寒空割るはだかの血管落葉樹 愉咲
これはTさんが初めて参加した2月の句会のときの自作の句を、先月書にしてもらったときのもの。このときの落款は「愉咲の句ゆしょうかく」となっていた。
「五郎八」で食事をして、「カフェゴト―」でお茶を飲む。
「カフェゴト―」を出て、寒空の下、自転車に乗ってTさんは帰って行った。
【後記】Tさんが今回の書をどのように書いたかを、今日のブログで書いていた。な、なんと、半紙を300枚使ったそうだ。びっくりした。