6時、起床。遮光カーテンを閉めずに寝たら、明るくて、目が覚めた。
朝食は和洋のバイキング形式。パン食にしたが、スープは蕎麦団子汁をチョイス。これが美味しくて、お替りをした。
ホテルをチェックアウトして、9:09松本発の「しなの1号」で長野へ向かう。当初の予定では、今日も昨日に続いて松本散策で、夕方の「あずさ」号で東京に帰るはずだったのだが、それは今日のランチを「Garugas」でとるつもりであったから。しかし、第三月曜日は「Gargas」は休みということだったので、昨日の夕方に「Gargas」訪問はすませてしまった。
ならば松本からは50分ほどの長野まで足を延ばして、人生初の「善光寺参り」をしようと思い立ったのである。とくに信心深いわけではなく、経験上、門前町というのは散策に適しているからである。帰りの17:18松本発「あずさ30号」の特急指定席切符は、17:30長野発「あさま542号」に変更してもらった。
松本を出発してすぐに左手に北アルプスの山々が見えた。この美しい景色を眺めるだけでも篠ノ井線に乗る価値があると思った。
長野には今年の3月に卒業したゼミ4期生の一人、Tさんがいる。地元の放送局に就職したのだ。今日は平日だし、予定になかった長野訪問なので、会うことはできないが、挨拶代わりに「元気でやってますか?」のメールを出す。おそらく無我夢中の一月半であったろう。一足早く梅雨入りしていなければいいのだが。
長野駅着。長野オリンピック(1998年)のときのシンボルマークが構内に飾られている。長野オリンピックはこの街の人々にとっての集合的記憶なのだろう。
荷物をコインロッカーに入れて、善光寺への参道を歩き始める。日影を選んで歩かないと、汗をかくほどの陽気である。
最初の大きな十字路(山前)を渡る。
二番目の大きな十字路(新田町)を渡る。
木陰に置かれた椅子でひと休み。観光地の参道らしく随所に座る場所が設けられているのがありがたい。
「権堂アーケード通り」という面白そうな雰囲気の脇道があったので、歩いてみることにする。散策は寄り道が楽しいのだ。
歩き出す前にベンチに座って甘味と水分の補給をする。甘味は松本の「開運堂」で購入した渋皮付の栗甘納豆。大粒で一個300円ほどするが、これを食べると『ドラゴンボール』に出てくる仙豆のように元気になるのである。
通りは昭和レトロな雰囲気に溢れている。なんだかタイムスリップしたみたいだ。
「相生座」という映画館があった。築100年を越える(創業100年の間違いじゃないのか?)絶滅危惧種指定の映画館である。しかも小津安二郎特集をやっているではないか。もし長野に今日から数日滞在するのであれば、迷うことなく切符を買って、中に入ったであろうが、今日の夜には東京に戻らねばならないので、それは次回の楽しみにとっておくことにする。
途中、ところどころにある「無料案内所」は何を案内してくれるとこなのかわからずにいたが(うつうす勘づいてはいましたが)、しだいに明らかになった。
ここが観光地化した門前町の面白いところで、参道の「聖」、脇道の「俗」という構造である。
弁財天はビルの狭間の空間にある。
秋葉神社はこのアーケード通りのシンボル的存在のようである。
まだアーケード街は続くのだが、そろそろ参道に換えることにする。ただし、ひとつ脇の小道を通った。ここは一層「俗」であふれている。
「権堂アーケード通り」の入り口まで戻って、その角にある「町カフェ」で縁台将棋を眺めながらカレーライスを食べる。ここも、映画館同様、時間がたっぷりあれば、席料100円(1日!)を払って、見知らぬ人たちと将棋を楽しみたいところだが、これもまた次回の楽しみにとっておく。
三番目の大きな十字路(大門)を渡る。これが最後の十字路だ。
仁王門。
山門へ。
ここでもちょっとだけ脇道へ。
山門だ。「善光寺」の文字が見える。
山門をくぐる。
善光寺に到着。
お参りにをすませて、気持ちのよい風の吹くこの場所で、しばらく休憩。
近くにある東山魁夷館(信濃美術館に併設)へ行ってみる。
「あさま」の時間まであと1時間半ほど。ゆっくりと駅までの道を戻る(普通に歩いて30分)。
「藤屋旅館」という格式の高そうなホテルのラウンジでレモンスカッシュを飲んで一服する。
「ぱてぃお大門」という一角にある特撰品の店で家族への土産を購入。
脇道の向こうに山がみえるというのが東京にはない魅力である。
長野駅前に到着。
新幹線のホームで発車まで20分ほどあったので、掻き揚げ山菜半熟卵そばを食べる。今回の旅行での最後の食事なり。
さようなら、長野。また来たい街である。