フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月19日(月) 晴れ

2014-05-21 12:04:20 | Weblog

     6時、起床。遮光カーテンを閉めずに寝たら、明るくて、目が覚めた。

     朝食は和洋のバイキング形式。パン食にしたが、スープは蕎麦団子汁をチョイス。これが美味しくて、お替りをした。

     ホテルをチェックアウトして、9:09松本発の「しなの1号」で長野へ向かう。当初の予定では、今日も昨日に続いて松本散策で、夕方の「あずさ」号で東京に帰るはずだったのだが、それは今日のランチを「Garugas」でとるつもりであったから。しかし、第三月曜日は「Gargas」は休みということだったので、昨日の夕方に「Gargas」訪問はすませてしまった。

     ならば松本からは50分ほどの長野まで足を延ばして、人生初の「善光寺参り」をしようと思い立ったのである。とくに信心深いわけではなく、経験上、門前町というのは散策に適しているからである。帰りの17:18松本発「あずさ30号」の特急指定席切符は、17:30長野発「あさま542号」に変更してもらった。

     松本を出発してすぐに左手に北アルプスの山々が見えた。この美しい景色を眺めるだけでも篠ノ井線に乗る価値があると思った。

     長野には今年の3月に卒業したゼミ4期生の一人、Tさんがいる。地元の放送局に就職したのだ。今日は平日だし、予定になかった長野訪問なので、会うことはできないが、挨拶代わりに「元気でやってますか?」のメールを出す。おそらく無我夢中の一月半であったろう。一足早く梅雨入りしていなければいいのだが。

     長野駅着。長野オリンピック(1998年)のときのシンボルマークが構内に飾られている。長野オリンピックはこの街の人々にとっての集合的記憶なのだろう。

     荷物をコインロッカーに入れて、善光寺への参道を歩き始める。日影を選んで歩かないと、汗をかくほどの陽気である。

     最初の大きな十字路(山前)を渡る。

     二番目の大きな十字路(新田町)を渡る。

     木陰に置かれた椅子でひと休み。観光地の参道らしく随所に座る場所が設けられているのがありがたい。

      「権堂アーケード通り」という面白そうな雰囲気の脇道があったので、歩いてみることにする。散策は寄り道が楽しいのだ。

     歩き出す前にベンチに座って甘味と水分の補給をする。甘味は松本の「開運堂」で購入した渋皮付の栗甘納豆。大粒で一個300円ほどするが、これを食べると『ドラゴンボール』に出てくる仙豆のように元気になるのである。

     通りは昭和レトロな雰囲気に溢れている。なんだかタイムスリップしたみたいだ。

     「相生座」という映画館があった。築100年を越える(創業100年の間違いじゃないのか?)絶滅危惧種指定の映画館である。しかも小津安二郎特集をやっているではないか。もし長野に今日から数日滞在するのであれば、迷うことなく切符を買って、中に入ったであろうが、今日の夜には東京に戻らねばならないので、それは次回の楽しみにとっておくことにする。

     途中、ところどころにある「無料案内所」は何を案内してくれるとこなのかわからずにいたが(うつうす勘づいてはいましたが)、しだいに明らかになった。

     ここが観光地化した門前町の面白いところで、参道の「聖」、脇道の「俗」という構造である。

     弁財天はビルの狭間の空間にある。

     秋葉神社はこのアーケード通りのシンボル的存在のようである。 

     まだアーケード街は続くのだが、そろそろ参道に換えることにする。ただし、ひとつ脇の小道を通った。ここは一層「俗」であふれている。

     「権堂アーケード通り」の入り口まで戻って、その角にある「町カフェ」で縁台将棋を眺めながらカレーライスを食べる。ここも、映画館同様、時間がたっぷりあれば、席料100円(1日!)を払って、見知らぬ人たちと将棋を楽しみたいところだが、これもまた次回の楽しみにとっておく。

     三番目の大きな十字路(大門)を渡る。これが最後の十字路だ。

     仁王門。

     山門へ。

     ここでもちょっとだけ脇道へ。

     山門だ。「善光寺」の文字が見える。

     山門をくぐる。

 

     善光寺に到着。

     お参りにをすませて、気持ちのよい風の吹くこの場所で、しばらく休憩。

     近くにある東山魁夷館(信濃美術館に併設)へ行ってみる。

     「あさま」の時間まであと1時間半ほど。ゆっくりと駅までの道を戻る(普通に歩いて30分)。

     「藤屋旅館」という格式の高そうなホテルのラウンジでレモンスカッシュを飲んで一服する。

「ぱてぃお大門」という一角にある特撰品の店で家族への土産を購入。

     脇道の向こうに山がみえるというのが東京にはない魅力である。

     長野駅前に到着。

     新幹線のホームで発車まで20分ほどあったので、掻き揚げ山菜半熟卵そばを食べる。今回の旅行での最後の食事なり。

     さようなら、長野。また来たい街である。


5月18日(日) 晴れ

2014-05-21 03:54:56 | Weblog

     6時、起床。外はもう明るい。今日もよく晴れている。

     朝食の前に安楽亭の周辺を散歩。夕暮れの散歩もいいが、早朝の散歩もいい。 

     畦道を歩く。両側は水を張った田んぼ。

     水面に山が映って線対称になっている。ロールシャッハ・テストのようだ。

     昨日は夕陽を浴びて光っていた墓石たちが、今日は朝陽を浴びて光っている。

     眼下には諏訪盆地が広がっている。

     安楽亭の隣の寺の石仏たち。朝陽を浴びている後列の石仏たちとまだの前列の石仏たち。

     境内の大きなモミジの新緑が朝陽を浴びている。

     朝食。電子レンジの使い方がわからず四苦八苦したが、それでも十分美味しい。

     Kの車で茅野駅まで送ってもらい、9:08発のあずさ1号に乗って松本へ向かう。

     K、ありがとう。たまには男子会もいいな。

     松本には30分ほどで到着。

     コインロッカーに荷物を入れて、松本散策の始まり。

     「高美書店」で地元のガイドブックを購入。

     「豆吉本舗」と「開運堂」で携帯用のお八つ(豆菓子と栗甘納豆)を購入。

     草間弥生仕様のバスが街中を走っている。

     中町通りを歩く。ここは工芸品の店の多い通りだ。

     おなじみの「coto.coto」に顔を出す。革の工芸作家の個展をやっていた。

     「ちきりや工芸店」に顔を出す。ここも松本に来たときは必ず立ち寄る。

     松本市美術館へ行く。知らなかったが、今日は「国際博物館の日」とかで、常設展・コレクション展は無料。

     やはり目を引くのは草間弥生の巨大な作品だ。

     自動販売機やゴミ箱も草間弥生仕様だ。

     館内の休憩コーナーで一服。街中の公共的な場所からどんどん姿を消している椅子たちがここにはたくさんある。人は疲れたら腰を下ろして休まねばらなない。

     昼食は美術館併設のレストラン「サンチーム」でとることにした。

     前菜はオードブル盛り合わせ。

     スープはグリーンピースのポタージュ。

     主菜は信州ハーブ鶏のコンフィ。

     デザート盛り合わせ。

     紅茶。

     ホテルのチェックインの時間(15:00)までぶらぶら散歩。駅のコインロッカーから荷物を取りだして、ホテルへ。

     ドーミーイン松本にチェックイン。1時間ほど昼寝をしてから、露天風呂に入って、気分がシャキッとする。

     夕方、ギャラリー・カフェ「Gargas」へ出かける。 本当は明日の昼間に来ることを考えていたのだが、第三月曜日はお休みであることに気づき、予定変更で、閉店時間(20:00)2時間前に行くことになったのである。

     「Gargas」は市民会館の裏手、深志神社のそばにある。

     店に着いたのは午後6時を回っていたが、中から先客たちの話し声が聞こえる。

     店の二階は定期的に地元の作家さんたちの個展をやっているのだが、今月は「こいけちえ陶展」。

     とりあえずリンゴジュースを注文。

     一階はカフェで、これまでにここで個展を開いた作家さんたちの作品が展示・販売されている。これがなかなか楽しいのだ。ついつい長居をしたくなる場所なのである。

     カレーライス(中)を注文。本日の夕食はこれ。「SKIPA」のチキンカレーと外見も味もよく似ている。

     先客の女性二人が二階のギャラリーへ上がって行って、私がカレーを食べ終えてもまだ降りてこない。ずいぶんのんびりしているなと思ったが、私が二階へ上がって行くと、挨拶をされた。お客さんと思ったのは私の勘違いで、作家さん本人とそのお友達だった。

     ストライプの模様と植物の種子をモチーフにした作品が中心である。かわいらしい箸置きが目に飛び込んでくる。これは買って帰らねば。

     こいけちえ(小池千恵)さんは伊那のご出身で(といっても私はすぐに伊那が長野県のどの辺りにあるかを頭の中でイメージできずにいた)、「ハルヒポタリースタジオ(HPS))」という工房を伊那に構えて活動しておられる。

     ストライプ模様の平皿と小皿(箸置きにも使えそう)、それから一目見たときから気に入った円形の箸置きを購入。

     平皿を作家さんご本人に持っていただいて写真を撮らせていただいたら、ご友人の方が「二人並んだところを写真に撮りましょう」と言ってくださったので、ご厚意に甘える。小池さんは今日は仕事モードで髪をアップにされているようで、「こんなおでこでいいですか」と言われたが、いやいや、おでこの広さでは私も負けておりませんので、大丈夫です。

     デザート(バニラムースの苺ソースがけ)とコーヒーを注文。

     閉店の少し前に店を出る。

     市民会館の壁面がライトアップと窓の明かりで幻想的な夜道になっている。

     ホテルに帰り、部屋のテレビで「ルーズベルト・ゲーム」を観てから、1階の食堂へ行って、サービスのラーメンをいただく。ドーミーインに泊まったときはこれを食べなきゃ泊まった気がしない。