フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月16日(金) 晴れ

2014-05-16 22:49:33 | Weblog

     8時、起床。

     カレーライス、サラダ、冷麦茶の朝食。

     母の診察に付き合って池上のS病院へ行く。レントゲンを撮って術後の経過観察。場合によっては予定外の手術の必要があったが、それは必要ないでしょうとのこと。次回の診察は一か月後。

     母はリハビリの治療があるので、私は先に帰る。

     梅屋敷の花屋で花束を購入して、その足で「phono kafe」へ。

     祝開店1周年! 今日は2年目の最初の1日だ。

     妻からは自作のネックレスを預かってきた。タイプの違う2つから1つを出らんでもらう。

     「普段使い」が出来そうと言う理由で、大原さんはこちらの地味な方を選んだ。

     ご飯セットを注文。

     厚揚げの甘酒煮(左)、ピーマンと竹の子の油淋炒め(右)。

     揚げ茄子と茗荷のマリネ。

        私は最初の客だったが、女性の2人連れ、男性の3人連れが続いて入店して満席となる。私が食事を終えて、飲み物は何を注文しようかと考えていたところに女性の一人客が入ってきたので、席を立つことにした。

       2年目も、その先も、どうぞ無理のないペースで、わが街にしっかり根を下ろしたカフェになってください。

       いったん自宅に戻って、一服する。はるが「かまって、かまって」と私の後をついて回る。

       「まやんち」へ電話をして、『dancyu』に載った木の実とドライフルーツキャラメルタルトを予約してから出かける。なにし一日7カット(しかも5月いっぱい)の限定品である。

       アイスティーと一緒に注文。実は、このお菓子を食べるのは初めてである。メニューに載っていることさえいままで気づかなかった。本来は秋冬の限定品ということなので、たまたま見落としたのだろうが、写真写りが地味なことも理由だろう。しかし、食べてみると、これが実に美味しいのである。『dancyu』で「まやんち」をレポートした山村光春の文章を紹介しよう。

       「3年前、初めて、〝木の実とドライフルーツキャラメルタルト〟を食べたときのことを、いまでも仔細に思い出せる。頬張った途端、ゴロゴロとしたナッツが口にゴリゴリ当たり、自然の甘味や酸味、風味が押し寄せる。リスの気分で咀嚼するとキャラメルと生地が絡み合い、一体感は最高潮へ。なのに抜けはよく、つい次の一口が欲しくなる。シンプルでこよなくやさしい、愚直なおいしさなのである。」

       他のお菓子とは違って、ナイフやフォークは使わず、指で持ってかじって食べる。粗野のようで、実は深い味わいのお菓子である。次回もこれを必ず食べようと思う。

       大学へ。3時から研究室でS君のゼミ論個別相談。今日の印象的な一言。「専業主夫もいいかなって・・・。」

       5限・6限はゼミ。

       5限は3・4年生合同ゼミで、3年生のグループ発表を聴く。IさんとEさんとOさん。トップバッターで緊張したであろう。実はいまの4年生はグループ発表を経験していない。最初から個人発表だった。それはそれでひとつのやり方だが、今年はグループ発表を導入してみることにした。1+1+1は必ずしも3になるとは限らない。相乗効果で3以上になる場合もあれば、足を引っ張り合って3以下になってしまう場合もあろう。チームで協力しあって成果を上げる方法を学んでほしい。

       スイーツタイムは4年生のYさんが用意したカラフルなドーナツ。配る前に写真を撮って、ミルクホールで飲み物を買って戻ってきたら、白と緑しか残っていなかった。君たち、お子ちゃまか。

       6限は4年生は7階の論系室に移動してゼミ論の中間報告会。

       3年生は教室に残ってテキストをもとにしたディスカッション。今日も活発に発言が途切れずことなく続き、全員が発言をした。

       ゼミを終えて、夕食を「ワセダ菜館」に食べに行く。

       さて、何を注文しようかな・・・と考えることはなく、

       すっかりこの店での定番となったカツ煮定食+ほうれん草のごま和えを迷わず注文。

       明日から2泊3日の小旅行。旅行中のブログの更新はありません(たぶん)。


5月15日(木) 曇り

2014-05-16 02:36:20 | Weblog

     8時、起床。

     カレーライスとサラダの朝食。昨夜は外食だったが、家ではカレーライスだったのだ。昨日の昼食が「SKIPA」のチキンカレーだったから、家で食べていたら昼・夜・朝三連続でカレーになるところだった。

     11時過ぎに家を出て、大学へ。

     昼休みの時間にゼミ3年生のグループ発表の事前相談。発表は明日だから大幅な変更を伴うアドバイスはできないが、レジュメの原案を検討しながら、改善すべき点をアドバイスする。

     3限は大学院の演習だが、急な用件が入ったため休講にする。

     昼食は「たかはし」で鯖の味噌煮定食。

     「たかはし」の向かいにあったコンビニが閉店していた。

     その二軒隣の工事中の空き地は前は何があった場所だろう。カフェレストランのようなものがあったような気がするが、利用したことのない店なので、わからない。大学周辺にはたくさんの飲食店があるが自分が入ったことのない店の方が圧倒的に多いのだ。自分とは縁のなかった店が知らないうちになくなっているというのは、なんとなく、うら悲しいものである。

     古本屋「ルネサンス」の店頭のラックの中から以下の3冊を購入。1冊100円だが、3冊だと200円なのだ。2冊買って200円払う客というのはどのくらいいるのだろうか。どうしたって3冊買ってしまうよね。

       谷口正和『旅立てジャック』(プレジデント社)

       大江健三郎『われらの時代』(新潮文庫)

       志摩芳次郎『現代俳人伝(一)』(大陸書房)

     食後のコーヒーは「カフェ・ゴトー」で。

     窓際の明るい席に座れたので、購入したばかりの本を読む。

     「毎日の生活の中で、人々が知的、美的興味というものをあらゆるジャンルで中に広げつつある時代である。生活そのものと、もっと大きな〝生き方〟というものを符号させてゆこうという時代である。いろいろな興味の推移、移動、道程、そういったものの中で、その人自身の〝旅の在り方〟をクリアーにしていこうという時代である。・・・(中略)・・・面白がりながら、珍しがりながら、楽しみながら、美味しいものに出会い、素敵なものを手に入れ、命の洗濯ともいえる旅を続けてゆく。それも気の合った仲間たちと続けてゆく旅である。つまり言ってみれば、毎日が発見、冒険、探険、生活宝島なのである。時間の軸、場の軸、空間の軸、それらの軸の中で日々重ねている〝小さな取捨選択〟とでも呼ぶべきものが個人のマインドを方向づけてゆき、生活そのものを旅化し、生きるといことが旅の概念と符合することを教えてくれる。・・・(中略)・・・さあ、旅に出よう、という呼びかけこそ、生活と生き方に対する自由、自分自身のものとしての自分の人生を眺め直す大きな契機となりうる。固定観念よさようなら、ということは、ある意味で生活を旅としてとらえてゆこうという態度である。つまり、旅こそこの時代と生活者を言い当てるキーワードと言わねばならない。」(『旅立てジャック』5-9頁)

     旅をするように日常を生きるという思想。著者がこの文章を書いているのは1986年のことである。後にバブルと呼ばれることになる時代である。当時と今とでは経済状況はずいぶんと違う。かつてのフリーターはいまのワーキングプアである。しかし、旅をするように日常を生きるという思想は死んでいない。旅に使える予算が小さくなっただけである。いや、日常そのものがシビア―になった分だけ、日常から遊離したい、日常に埋没したくないという欲求は強くなっているとみることもできる。

     3時半からMさんのゼミ論個別相談。印象に残った一言。「それは銀座と戸越銀座くらい違います」。

     90分が経過した頃、研究室の窓の外で工事の音が大きくなった。壁に直接何かを打ち付けている、あるいは打ち付けてある何かを取り外しているような音である。テーブルに向かい合って座っているのだが、もはや互いの話し声が聞こえない。本日の相談はここまでとする。

     5時過ぎに大学を出る。

     大井町で途中下車して「pottery」に寄って行く。GWを間に挟んで3週間ぶりである。ちょっと間が空きすぎだ。マダムがいつもよりそっけないのは気のせいだろうか。これがバーであれば、「先生、最近、おみかぎりね」と言われるところだろう。

     コーヒーとたまごトーストを注文。今日のカップ&ソーサーはウェッジウッドのコロンビア・セージ・グリーンだ。

     卵トーストの卵はパンの中央に盛り上げて出てくる。一緒に付いてくるバターナイフは客が自分で卵を平べったく伸ばすためのものであろう。最初から平べったくして出てこないのは、見た目がよくないからだろう。客が自分で平べったくするという作業を楽しんでもらおうという意図もあるのかもしれない。その辺のことをおしゃべりしようかと、「このナイフは卵を平べったく伸ばして食べるためのものですよね」とマダムに話しかけてみたが、「はい、そうです。バターナイフですから」とそっけない。駄目だ、今日はご機嫌斜めみたいだ。「髪を短くされたのですね」と店に入ったときに気づいたことを言ってみる。あら、気づいたのねという顔をして、マダムはニッコリされた。少しだけ失点を挽回したようであった。

     大井町駅のアトレの本屋で『dancyu』6月号を購入。甘味特集。「まやんち」が見開き二頁でとりあげられている。レポーター(山本光春)のイチオシは「木の実とドライフルーツキャラメルタルト」である。私が注文したことのない一品である。食べなくちゃ。

     トミヤマユキコさんが「ワンモア」のホットケーキをレポートしている。「ワンモア」は総武線の平井にある。私の日常の生活圏の外部だが、旅をするように行こう。     

      本日の我が家の夕食のメインは、大根と豚肉のうま煮。