フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月10日(土) 晴れ

2014-05-11 09:52:24 | Weblog

     8時、起床。

     今日は2000年卒の3人の卒業生、Mさん、Aさん、Tさんと会う約束がある。といっても、3人一緒ではなく、昼間にMさん、夕方にAさんとTさんというスケジュールである。

     Mさんとは1時に研究室という約束だと思い込んでいて、実は12時で、その勘違いに気づいて、あわてて家を出る。

     Mさんと会うのは7年ぶりである。研究室で久しぶりのおしゃべりをしてから、「五郎八」へ食事に行く。「五郎八」はMさんの希望である。以前、一緒に来たことがあるのだ。でも、その頃の「五郎八」は現在の場所(早稲田駅の神楽坂寄りの出口を上がったところ)ではなくて、大学に近い方の出口のそばにあった。7年という歳月をそんなところに感じる。

     私は揚げ餅そば(冷やし)、Mさんはきざみ鴨せいろを注文。

     食後のコーヒーは「カフェゴト―」で。これもまたMさんの希望である。最近の卒業生の間では神楽坂の「SKIPA」が一番人気だが、一文時代の卒業生の間では断然「カフェゴト―」である。「カフェゴト―」はコーヒーが500円、ケーキが500円で、学生には少々高いと思うが、私の記憶が確かならば開店当初(25年前)からこの価格だったから、当時の学生にはめったに行けないカフェであった。昨日のNさんなども、自分にご褒美をあげるような気分のときに出かけて行って、しかし、コーヒーとケーキを一緒には頼めず、ケーキだけ注文する(飲み物は水で我慢する)というようなことをしていたそうだ。その話をMさんにしたら、「そう、そう、私はそうでした」とのこと。

     私はチョコレートタルト、Mさんはベイクドチーズケーキを注文(もちろんコーヒーも一緒に)。

 

     Mさんは夜は最近引っ越しをしたという友人を訪問する約束があるのだが、5時にAさんとTさんがやってくると知って、二人の顔が見たいというのでそれまで待つことにした。

     Aさん(写真右)とは先月の還暦の集まりのときに会ったばかりだが、今日は仲良しのTさんと一緒にやってきた。私がTさん(写真左)と会うのは卒業以来(14年ぶり)であるが、おっとりした雰囲気は変わっていなかった。

     6時頃に研究室を出て、Mさんとは地下鉄の駅のところで別れて、残った3人はTさんが予約を入れておいてくれた「すぎうら」へ行く。Tさんに「すぎうら」を知っているのと聞いたら、行くのは今日が初めてで、大学周辺の飲食店を「食べログ」で調べて予約をしたのだそうだ。

     メニューをみながらあれこれ注文する。

     突出し。

     鰹のたたき。

     中トロ。

     鰆(さわら)のカマ焼き。

     山菜の天ぷら。

     海鮮サラダ。

      キンキの煮付け。

     ほかにも賀茂茄子の田楽や真鯵のなめろうなどを美味しくいただき、最後はご飯と味噌汁。

     食後のコーヒーは再び「カフェゴト―」で。これも2人の希望である。

     私はコーヒーだけにしたが、フォークが3本出て来たので、2人が注文したチーズケーキとバナナタルトをちょっと分けてもらう。

      「カフェゴト―」には閉店時間(21時50分)までいた。昼間のMさんともそうだったが、昔に戻ったように、たくさんのおしゃべりをした。しかし、私の目の前にいるのは、学生ではなく、人生のさなざまな出来事を経験してきた大人の女性たちである。私と彼女たちが共有していたのは人生のほんの数年間で、それから現在までの間には少なからぬ歳月が横たわっている。にもかかわらず、私たちはまるで昨日会って今日も会った者たちのように、あれこれおしゃべりをして、笑っている。考えてみると実に不思議である。路上で他人に道を尋ねるのさえ難しくなってきているこの時代に、こういう関係が存在しているということが、山田太一のドラマのタイトルを借りて言えば、「ありふれた奇跡」のように思えてくる。大袈裟でなく。

     大手町方面行の東西線で一緒に帰る。2人は九段下で降りた。また会いましょう。