フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月31日(火) 晴れ

2015-04-02 19:54:51 | Weblog

6時半、起床。

鮭茶漬けの朝食。

中目黒の「ハイジ」という生活雑貨の店でやっている清水直子さんの作品展「はるのみち」を見に行く。

同僚の阿比留先生と中目黒の駅で11時に待ち合わせる。彼女は、先月、ちょっと体調を崩して、それでオンデマンド授業「社会理論と社会システム」の打ち上げも中止となったのだが、今日の夕方からの現代人間論系の教員懇親会にも欠席の通知が届いていると聞いて、まだ回復されていないのかと心配になって連絡をとったところ、体調は回復したが、夜は子どもを預けて出て行くのが難しくいので懇親会は欠席とお返事したとのことだった。そういうことでしたか。阿比留さんは中目黒とは目と鼻の先の学芸大学にお住まいである。清水直子さんの作品展の話をしたところ、行ってみたいとのことだったので、ご一緒することにしたのである。

二ヶ月ぶりにお会いする彼女はすっかり元気そうであった。

たくさんの作品が並んでいたが、私はパッと目にとまったこの彩り豊かな小皿のセットを購入することにした。

阿比留さんはこの新作(青いシリーズ)のマグカップ(白熊柄)が気に入ったようである。

買物を終えて、近所のスリランカ料理の店「セイロン-イン」で昼食をとることにする。 

ランチのカレーセットを注文(カレーは私はマトン、阿比留さんはエビ)。

最初にドーナツの形をしたものとサラダが出てきた。ドーナツはスリランカ風のさつま揚げのような味がして、なかなか美味しかった。

カレーは注文したマトンのほかに本日のカレー(ひよこ豆と野菜)が別に付いてきた。よく見たらメニューにそう書いてあったが、よく見ていなかったので、なんだか得をしたような気分になる。

スリランカのカレーというのは初めて食べたので、それがスリランカのカレーの特徴なのか、それともこの店のカレーの特徴なのかがわからないが、ジャスミン(それともハッカ?)の風味だろうか、すっきりとした酸味が感じられる美味しいカレーだった。

デザートはヨーグルト。

食後、せっかく中目黒に来たのだから、混雑は覚悟で、目黒川の桜を見に行く。

やっぱり大変な人出である。満開と好天が重なって、今日は東京のお花見スポットはどこもそうなのではないかしら。

かもが泳いでいる。

こちらはあひるさん、いえ、あびるさん。子どもの頃から聞き飽きた洒落でしょうね(笑)。

途中、「COW BOOKS」というよく知られた古本屋さんがあったので、入ってみる。 

初めて入る古本屋さんでは挨拶代わりに何か買うというのが私の中での決まりごとである。いわんやそれが「COW BOOKS」であればなおことである。「買うBOOKS」だから(笑)。

挨拶代わりにしては高めの本を買った。荒木経惟『写真への旅』は4000円ちょっと、森山大道『写真との対話』は2000円ちょっとした。

買った本を包装してくれる紙には谷川俊太郎の詩が印刷されている。

目黒川沿いの混雑を離れて一つ横の道を歩いていたら、菅刈(すげかり)公園というのがあった。阿比留さんはご存知だったが、地元の人しか来ない穴場的なお花見スポットらしい。

目黒川の混雑が嘘のようなのんびりとしたお花見風景である。

阿比留さんもリラックスされたようで、おどけたポーズをしてみせてくれた。私が「おっ、ガッキー(新垣結衣)みたいですよ」といいながら写真を撮っていたら、ちょうどそばを通りかかったカップルがそれを聞いて大笑いした。いや、声に出して笑っては失礼だろうと思ったのだろう、「ククク」と肩を震わせて、笑いたいのを一生懸命こらえながら、足早に過ぎ去っていった。

ぽかぽか陽気の中を歩き回って喉が渇いた。どこかにカフェはないかと商店街を歩いたが、なかなか見つからない。見つかっても、定休日だったりする。

これはもしかしたら阿比留さんがさきほどの「ガッキー」の仕返しで、いじわるをしているのではないかと思えてきたが、それは考えすぎだろう。

ようやくカフェを見つけて、中に入る。

私はクリームソーダ、阿比留さんはバナナセーキを注文。ミントの風味がする大人のクリームソーダだった。

阿比留さんとはここで別れて、私は大学へ。今年、大学院の修士課程に入学して私の指導を受けることになった留学生のSさんと面談(科目登録の相談)をすることになっているのだ。

スロープの上の桜が見事に満開である。

今日は風が強く、満開の桜は早くも散り始めている。

メタセコイヤの並木と一本桜。工事中には見られなかったアングルからの眺めである。

面談を終え、「西北の風」で開かれる現代人間論系教員懇親会に出るべく本部キャンパスへ。

15階の会場では、すでに乾杯が終わり、懇談が始まっていた。

新年度から論系演習「ケアと支援の福祉社会学」を担当していただく立教大学助教の深田耕一郎先生。お名前にかすかに覚えがある。「どこかでお会いしてことはありますか?」と尋ねたら、深田先生は早稲田の二文の卒業生で私の講義に出たことがあるとのことだのでびっくりした。大きな教室での講義だったので、お顔は覚えていないが、出席簿の名前が記憶の片隅に残っていたのだろう。

しかし、びっくりしたのはそれだけではなかった。深田先生は私のブログを読まれているそうだ。「先生のブログの読者です」と言われること自体はときどきあることなので、それほどびっくりしなかったが、ブログに登場するいくつかのカフェに実際に足を運ばれていると聞いてびっくりした。神楽坂の「SKIPA」と「トンボロ」、蒲田の「PHONO KAFE」、鹿島田の「パン日和あをや」の名前まで出てきた。ああ、そういうえば、「パン日和あをや」の奥様がいつか言っていた、「先日、30代くらいの背の高い、関西弁を話す男性が来店されて、大久保先生のブログに出てくるお店を歩いて回っているんです」とおっしゃってました」と。あれは深田先生だったんですね。「そうみたいですね」と言って、深田先生は笑った。その人と今日ここで会おうとは・・・びっくりした。

懇親会は8時頃にお開きとなり、二次会へ行く人、帰る人、私は研究室に戻る。

夜桜を愛でる。今日はいっぱい桜の花を観た一日だった。満足、満足。

お茶を入れて、「梅花亭」の草餅を食べる。つまるところ花より団子か。

あゆみブックスで、藤川義之『ある文人学者の肖像 評伝・富士川英郎』(新書館)を購入。

10時半、帰宅。

2014年度、研究休暇の一年が今日で終わった。明日から日記帳は新年度版になる。