8時、起床。
トースト、サラダ、紅茶の朝食。
10時半に家を出て、渋谷へ。今日はNHKホールで全国俳句大会(第18回)があるのだ。去年初めて参加して(見学だけ)、面白かったので、今年は作品も投句しての参加である。
いつ来てもハチ公前のスクランブル交差点の人の多さには感心する。
公園通りを行く。
代々木公園が見えてきた。
1964年の東京オリンピックのときに作られた体育館が再びオリンピックで使われることなるとは、当時、小学生だった私は考えてもいなかった。
NHKホールに到着。紅白歌合戦の質の高い歌声でゴジラに破壊されずに済んだ建物である。
去年同様、句会仲間のあゆみさんと待ち合わせているが、彼女はまだ来ていない。メールが届き、いま地下鉄の神宮前駅に着いたところだという。到着までもう少しかかりそうである。
実は入場には入場券(ハガキ)が必要なのだが、私はそれを忘れてきてしまった。一枚の入場券で2人まで入れるので、あゆみさんが忘れなければ大丈夫なので、メールで確認したところ、「たぶんたかじ先生は忘れるだろうと思って、しっかり持って家を出ました。ご安心ください」とメールが返ってきた。
なので彼女が来ないと入場はできない。
道にはテントの出店がたくさん集まっている。ぶらぶらしてみる。
あゆみさんが到着したので、ホール玄関で座席券をもらってから、屋台で軽く食事をとることにする。
まずは温かい飲み物だ。
ちょっとずついろいろ食べようね(それが縁日の楽しみ方だ)ということで、私はホットドックを買いに、あゆみさんはラーメンを買いに行く。
あゆみさんが買ったのはタイラーメン。
タイは台湾の台ではなくて、鯛の鯛だ。鯛ラーメン。
フードコートのテーブルは満席だ。
道路わきの花壇の煉瓦に腰を下ろして食べる。ホットドックも、鯛ラーメンも美味しい。とくに鯛ラーメンは温かいスープがほっとする。
第二弾は、焼きそばとあんまんだ。
日当たりのいい歩道橋の階段で食べることにする。
「いい気持ちで~す!」とあゆみさん。去年は直前までお子さん連れで、会場に入る前に(フットサルを終えた後の)ご主人がお子さんを引き取りに来たのだが、今回は最初からご主人が家でお子さんの面倒を見てくれている。
焼きそば大盛りだ。
あんまんはちゃんと中華のあんだ。
ここには毎週末、屋台村(アース・ガーデンとかいっていた)ができるらしい。家族連れやカップルがたくさん来ている。なかなか楽しい場所だ。
さあ、そろそろ開演の時間だ。
大会はプログラム通りに進行した。(2月11日にNHKテレビで放送される)
結果(特選・大賞など)については大会のホームページを参照→こちら
15人の選者が、各自3句ずつを選ぶ(兼題「風」から一句、自由第から二句)。これが特選で、特選句は15人×3句で45句ある(ただし一部重複あり)。それぞれの作品が披講(アナウンサーが朗詠)され、作者の感想と選者の講評が付く。
私なりに、45句の中から3句を選んでみた。(たかじ選)
春風に乗せて広げる卓布かな 広島和夫(大阪) *正木ゆう子選
万葉集の天皇が詠むような大らかでゆったりとした作品ではないだろうか。
大寒や空手少女の突きと蹴り 山本良彦(千葉) *小澤實選
思わず身が引き締まるようなキレのある作品である。
大空を来て水鳥となりにけり 筒井慶夏(沖縄) *鷹羽狩行選
北から海を越えてやってきた渡り鳥が何事もなかったように水面に浮かんでいる(すごよ、君たち)という作品。
ジュニアの部門の大賞5作品の中では、私は次の作品が一番よいと思った。
走ってるこの感覚が夏なんだ 平岡咲季(愛知県豊橋市立南陽中学校2年) *小島健選
私が夏の句会に出した「夏が好きとずっと答えて生きてきた」と通じる感覚がある。もしかして、私は中二の感受性のままなのだろうか。
大会が終わったのは4時半ごろだった。
3時間以上、椅子に腰かけていたので、体を動かしたい。
ここまでやらなくても・・・(笑)。
渋谷駅の方へぶらぶらと歩く。
カフェはどこも満席状態だったが、比較的空いているカフェを見つけて入る。
2人ともアイスレモンティーに、私はドーナツ、あゆみさんはシフォンケーキを注文。
今大会の入選作品集。
私は三句投句して、兼題「風」を詠みこんだ作品が入選した。
逆転の大飛球となれ春の風 大久保孝治
もしブログに書いていなければ、「この街を離れんとして春の風」というお気に入りの句があるのだが、未発表作品でないとダメなので、大会用に作った作品である。「春の風」は春一番をイメージして、春の高校野球と重ねて詠んでみた。「ホームラン」ではなく「大飛球」と表現したところが工夫である。
あゆみさんが私の作品を見ている。
「いい句ですね」と微笑んでいる(演出です)。
彼女は今回は入選を逃したが、来年もまた参加したいとのこと。お互い、日々、研鑽を積みましょう。
あゆみさんは間もなく育休を終えるが、職場(保育園)には復帰せず、もうしばらくいまのまま子育てに専念するそうだ。他人の子どもの世話を仕事とする自分が、自分の子どもの世話を人任せにすることに違和感を感じていたそうだ。
彼女には夢がある。絵本作家になることだ。専業主婦の傍らその夢を育てたいそうだ。
いいんじゃないか。頑張ってね。
彼女とは渋谷駅で別れた。私は山の手線、彼女は副都心線。また来年も一緒に来ましょう。
帰宅すると、玄関先になつがいた。一緒に家の中に入り、しばらくよしよしをする。
夕食はステーキ。
来年のNHK俳句大会の兼題は「山」である。「風」の次は「山」か。「風林火山」みたいだな。
今年は投句の締め切り間際に急いで作ったが、次回は満を持して投句したい。