フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月26日(木) 

2017-01-28 10:27:47 | Weblog

 8時、起床。

トースト、サラダ(ウィンナー)、みかんジャム、紅茶の朝食。

昼から大学へ。

3限は大学院の演習。

今日は文学部の卒論の口頭試験がいっせいに行われるため通常の授業は休講なのだが、私は文学部の学生の卒論は担当しておらず、大学院の演習は教室ではなく研究室で行うため、休講にはせず、その代わり、来週の演習を休講とする。授業の最終回が2月にはみ出すというのは気分的によろしくないのだ。

演習を終え、昼食を食べに出る。

「メーヤウ」に行く。

タイ風レッドカリーとラッシーを注文。

食事を終えてからホットコーヒーを注文した。200円と安い。

あまりメニューをじっくり眺めたことはなかったが、「ルーのおかわり」(100円)というのがある。ライスが余ってしまったときにいいかもしれないが、同じ種類のカリーのルーでないといけないのだろうか。レッドカリーを食べて、〆にちょっと辛い「ポークカリー」やすごく辛い「チキンカリー」のル―を食べたいというのはダメなのだろうか。

肉と野菜の入っていない「プレーン」(600円)というのもあるのか。どういう人が、どういう考えで、注文するのだろうか。ゆでたまごは付いているのだから、必ずしもダイエットのためというわけではあるまい。

「ダブルセット」というのは、「カフェゴト―」でよくやる二種類のケーキのハーフ&ハーフのようなものだろう。あちらは一人では注文できないが、こちらでは一人でもそれができるわけだ。

「ミニカリー」や「39サンキューカリー」は小腹が空いたときや、激辛のチキンカリーなんかをこわいもの見たさ(食べたさ)で食べるときにいい。

大学生協の書店でみずず書房の本の20%引きセールをやっている。オルデンバーグ『サードプレイス』を購入。すでに所有している本だが、頻繁に参照する本なので、傍線や余白への書き込みがたくさんある。4月から始まる新たな演習「現代人と社交」の参考文献の1つとして研究室にも置いておきたいので、真っ新なものを購入することにした。

ところで本書のカバーには日本の立ち飲み酒場の写真が使われている。原著には日本社会への言及はないので、翻訳書独自のアイデアである。おそらく解説を書いているマイク・モランスキーの提案だろう。彼はカフェよりも居酒屋が日本社会では「サードプレイス」(家庭と職場から独立した第三の居場所)として機能しているという主張をもっていて、日本中の居酒屋をリサーチしているのである。

私はモランスキーの見解に半分賛成する。オルデンバーグのいう「サードプレイス」の本質は店主と客、客同士の間に生まれる会話にある。オルデンバーグが「サードプレイス」の典型として挙げているヨーロッパのカフェにはそれがある。しかし日本のカフェの利用のされ方を見ると、ひとりになるための場所であったり、連れ立ってカフェに行く親しい者同士の会話の場所であり、他人(店の人や他の客)との会話を楽しむという雰囲気は希薄である。そうした雰囲気はむしろ居酒屋にあるとモランスキーは見ているわけである。確かにその通りだと思う。

しかし、これは私が酒をたしなまず居酒屋という場所に縁がない(昼の定食は食べたりするが、夜には行かない)という点を差し引いて考えたとしても、社交の場所としてのカフェの(これからの日本社会における)可能性についてはもっと積極的に考えられてしかるべきだろうと思うのである。実際、私自身は、カフェを孤独な時間を過ごす場所としても、卒業生らとの社交の場所としても、カフェのマスターやマダムや常連客との会話を楽しむための場所としても使っている。そしてそれはブログというネット空間における私の居場所(=サードプレイス)を構成する主要なコンテンツの1つにもなっている。私にとってカフェの機能は多面的であり、かつ、多元的なのだ。

オルデンバーグもモランスキーも、「サードプレイス」の特徴の1つに「ホモソーシャルな場所」という点を指摘している。「同性同士(この場合は男性同士)の場所」であるという意味だ。なまじ異性が混じるとあれこれ気を遣わなくてはならないからという解釈がなされているが、それはどうだろう。女性が「サードプレイス」を持ちにくいのは、「ファーストプレイス」である家庭の重力があまりに大きくて、そこから自由になりにくからという理由も大きいのではないだろうか。しかし、家庭の重力は昼と夜とでは変動があり、昼の方が相対的に重力が弱い。だから女性にとっては夜の居酒屋よりも昼のカフェの方が「サードプレイス」として機能しやすい(逆に男性は昼は職場の重力が強大で、夜でないと「サードプレイス」に向かいにくい)。昼のカフェは女性客が多いが、まったくの「ホモソーシャル(この場合は女性同士)の場所」というわけではない。

現代人間論系演習「現代人と社交」の宣伝を兼ねて、少しばかりサードプレイス論を語ってみました。

夕方まで、試験の採点作業。

7時半、帰宅。夕食はハンバーグ。

デザートはわらび餅。

深夜、録画しておいた木村拓也主演のドラマ『A LIFE~ 愛しき人~』の初回を観る。ずいぶん脇役人が豪華である。浅野忠信も松山ケンイチも映画で主役を張る俳優である。 竹内結子と木村文乃もTVドラマの主役級の女優である。万全の布陣ともいえるが、キムタクは俳優としてそんなに演技が上手というわけではないし、上背もあるわけではないから、最強艦隊のフラグシップというのはちょっと荷が重いのではないかと思われなくもない。いろいろな意味で、頑張ってほしいと思うし、頑張りどころだと思う。