フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月11日(水) 曇りときどき小雨

2007-07-12 02:39:45 | Weblog
  朝、インターネットのニュースで、社会保険庁の職員の93%が夏のボーナスの一部返納に応じる意向を示しているという記事を読んだ。その記事には、夏のボーナス相当分の寄付を政府から求められていた同庁の長官OBのうち、これまで応じていなかった2名が応じる意向を示したため、13名全員が寄付をすることになったということも書かれていた。朝から嫌な記事を読んだ。不合理だ、馬鹿げていると思いながら、それを表明できず、表明しても撤回せざるを得ず、不承不承大勢に従うという構図が明らかである。組織の中で生きるとはそういうことなのだろう。日本が戦争の泥沼に入っていった時代にも同じ構図があったに違いない。
  昼から大学へ。3限(質的調査法特論)と4限(卒論演習)の授業の後、研究室で宗教社会学関連の文献を読む。明後日の「現代人の精神構造」は田島先生担当の最終回なのであるが、親戚にご不幸があって田島先生がお休みのため、私が少しばかり宗教の話をしなくてはならなくなったからである。安藤先生と大藪先生にも事情をメールで説明し、ご参加いただけることになった。元々、最終回は全員でやりませんかという話があったのだが、例の麻疹の休講が間に入ったため、授業回数の関係でその案はお蔵入りになっていたのであるが、急遽、復活することになった。安藤先生からも大藪先生からも「やりましょう」というご返事をいただき、なんというか、人生意気に感じるところがあった。

7月10日(火) 小雨

2007-07-11 02:15:01 | Weblog
  10時半からカリキュラム委員会。任期中の最後の会議である(たぶん)。終わりが延びて、12時半からの二文の社会・人間系専修委員会に遅れて出る。いつものことながら出席者が少ない。1時間ほどで終わり、「五郎八」に昼食をとりに行く。助手のAさんも一緒。私は天せいろを注文。Aさんは品書を見ながら、お店の人に鴨せいろときざみ鴨せいろの違いを尋ねている。鴨せいろの鴨肉を短冊に刻んだのがきざみ鴨せいろである。鴨せいろよりもボリュームは軽めで、値段も少し安い。「じゃあ・・・」とAさん、どちらを注文するのかと思ったら、「京にしんそばを」と言った。どういう思考回路をしているのであろう。私の左隣のカウンター席には伊東美咲似のスラリとした美人が座った。常連の一人である。いつものように大せいろ(せいろ三枚)を注文し、グラスビールを飲んで待っている姿が粋である。しかし昼間からビールとはどういう仕事をしている人なのか。これがバーのカウンターであれば、話かけるのもありかと思うが、蕎麦屋のカウンターですからね。謎の美女ということにしておこう。彼女が大せいろ以外の注文をするのをいままで見たことがない。しかも彼女、今日はせいろを一枚お代わりした。せいろ四枚!単純にそば好きなのか、それともそばダイエットでもしているのか。う~む、謎は深まるばかりだ。
  生協戸山店で以下の本を購入し、研究室で読む。昼寝も少々。

  萱野稔人『権力の読みかた』(青土社)
  加藤尚武編纂『哲学の歴史7 17-18世紀』(中央公論新社)
  『季刊at』8号

  4時半から基礎演習のワーキング。新メンバーでの第一回の会合である。1時間の予定が30分ほど延び、現代人間論系の教室会議に遅れて出席。「たかはし」のお弁当を食べながら8時まで。
  9時、帰宅。風呂を浴び、「ガイアの夜明け」を観る。高齢者が住み替えで売却した土地付き一戸建ての中古住宅を新築同然にリフォームして、新築よりもずっと安い価格で売るという手法がブームになっているという話。録画しておいた「牛に願いを」(第2回)を観ながら、フィールドノートの更新。今クールはじっくり観たい(ながら視聴ではなく)という作品は「新マチベン」(NHK、土曜9時)くらいだ。

7月9日(月) 曇り

2007-07-10 02:36:54 | Weblog
  朝食を抜き、「鈴文」へ。今日は「鈴文」の最高峰である特ロースかつ定食(2100円)を初めて注文した。私の横のカウンター席で特ロースカツ定食を食べていた柔道部のコーチのような男が、チラリと私を見て、「おっさん、いくんか?」という顔をした(何故か関西弁)。300グラムの豚肉は厚味が3センチはある。最初の一切れはレモンと塩で、後は醤油でいただく。5分の3あたりまではすいすいと口に入ったが、最後の一切れというあたりで(箱根駅伝に喩えれば第5区である)、満腹感を覚える。しかし、その最後の一切れが、ちょうど脂身の多い部分で、ロースかつの旨さここに極まれりという感じで、完食することができた。もう何も思い残すことはない、という気持ちになる。
  普段の月曜日であれば、喫茶店で食後の珈琲を飲み、ジムにトレーニングに行くところであるが、今日は明日のカリキュラム委員会のための打合せがあるので、その足で大学へ。研究室で雑用を片付けているところへ、二文2年生のWさん(去年、私の基礎演習を履修していた)がやってきて、お手製のシュークリームを頂戴する。実は、昨夜、彼女のブログをのぞいたら、新しいオープンレンジで初めてシュークリームを作ってみたところ美味しく出来ましたという記事がアップされていたので、物欲しそうなコメントを書き込んだところ、わざわざ持ってきてくれたのである。食後1時間半、300グラムの豚肉は未消化であるが、甘いものは別腹というのは本当で、プチシュークリーム4個をペロリと平らげる。Wさんにはお礼にイートンペンシルを差し上げた。
  打合せを終えて、大学院の演習の下調べ。帰りがけにあゆみブックスで以下の本を購入。電車の中で読む。

  リチャード・ドーキンス『神は妄想である』(早川書房)
  荒川洋治『黙読の山』(みすず書房)
  鷲田清一『「待つ」ということ』(角川書店)
  SE編集部『SNSの研究』(翔泳社)

  帰宅して、風呂を浴び、夕食。本日のメインディッシュはチキンソテー。豚肉と鶏肉の違いはあるものの、肉食メニューが続く。できれば今夜はアッサリ系(たとえばお刺身)であってほしかった。妻は私が昼に「鈴文」のとんかつを食べたことを知っているはずなのだが・・・(忘れちゃったのかな)。その点を妻に確認してみたところ、忘れたわけではなく、私がとんかつを食べると聞いて、自分も肉が食べたくなったのだそうだ。そ、そうか。自分の「肉欲」を優先させたわけね。
  ところで今日は清水幾太郎の誕生日。生きていれば(彼は1988年8月10日に81歳で亡くなっている)、ちょうど100歳である。


7月8日(日) うす曇り

2007-07-09 01:51:42 | Weblog
  昨日に引き続き今日も一日書類の山に向かう。深夜、作業完了。千頁を越える書類に眼を通したことになる。マラソンを完走したような気分だ。眼がしょぼしょぼする。グーグル・デスクトップの「タスク」の一つにチェックを入れる。削除。ふぅ。今日はしのぎやすい一日であった。散歩に出たらきっと気持ちがよかったであろう。しかし散歩に出ていたら、「ふぅ」は明日に持ち越しになっていただろう。深夜の「ふぅ」は格別だ。突然、小泉今日子がずっと昔(20年くらい前)に歌った「夜明けのミュウ」という歌を思い出す。

  ♪夜明けのミュウ 君が泣いた

  でも、覚えているのはこのフレーズだけ。とても切ない歌なのだ。

7月7日(土) 曇り

2007-07-08 02:44:35 | Weblog
  終日、書類の山に向かう。処理を終える締切は昨日だったのであるが、この土日に終わらせれば、実質的には問題なしと担当者から言われている(明言されてはいないが、あうんの呼吸でそう理解した)。
  普段、大学では喋ることが仕事の中心を占めている。自宅で机に長時間向かうときは、本を読むか、原稿を書くかである。だから机に向かって黙々と書類を読む、ひたすら読むという作業は、ある意味で新鮮である。
  途中で、一件、気がかりな仕事のメールを打つ。ほかにも気がかりな仕事はあるのだが、それはこの書類の山が片付いてからでも間に合う。グーグル・デスクトップの「タスク」の1つを削除する。「タスク」が増えていくと気分が重くなり、「タスク」が減っていくと気分が軽くなる。体重計の目盛りに似ている。「タスク」のない状態を夢想することはあるが、考えてみれば、それは私という人間の社会的重量がゼロになったことを意味するわけだから、健全な状態とはいえまい。社会関係のダイエットもほどほどが肝心だ。