佐久市立中央図書館蔵書・・・いわずと知れた山崎豊子センセの大作ですが、ここへきて渡辺 謙主演での映画化ですとか、物語中、語られる国民航空=ニッコーの労組をはじめとした社内の実態、御巣鷹山事故、さらに連日朝刊のトップを飾る日航の再建問題・・・などなどが巧妙に絡まりあってなんとも読み応えのある作品となっております。いってみれば「読み頃」といえるでしょうか(爆)
なんでも映画化にあたってはそれこそ日航の圧力で空港内でのロケが一切許可されなかった由・・・存続すら危ぶまれる債務超過の航空会社としてはイメージ・ダウン必至でしょうが、映画のでき如何ではさらなる経営悪化をも招くのでわないでしょうか。今週あたり劇場に出向いて鑑賞して参ります。なんでも10分間の休憩を挟んでの4時間近い大作だとか・・・気になります。
さて、それに備えた、というわけでもないのですが、原作を借りてまいりました。2005年に発行された豊子センセの全集。一巻あたり4700円(!)の超豪華本。どうりで紙の質が違うと思いますた。このアフリカ編ー1では労組の委員長にムリヤリたてまつられた挙句、ストに突入して経営側からの恨みを買う役回りが描かれておりますが、がんばれ恩地、と。どろどろした人間関係の描写は我らが清張センセに勝るとも劣らないが、えげつなさでは清張センセの勝ちか、というところ。「沈まぬ太陽」はこのまま2=御巣鷹山編、3=会長室編と続くわけですが、まあ、企業小説としても人間ドラマとしても白眉。映画とあわせての鑑賞をお勧めいたします。って映画まだ観てませんでした~(爆)。