嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

トクイチオートの到達点をTIP-Sで味わう

2018-05-12 20:36:21 | 今日の逸品

画像は、一昨年、秋のボクスター(爆)。さいきん、乗る時間はとれてもシャシンを撮る時間がないものでこうなりますた。申し訳ないっす(汗)。

先日乗ったMB W124に施してあったトクイチオートの最新ソリューションがあまりにもすごく、たまらずうちのボクスターにも落とし込んでいただきましたので、そのレポートをばいたします。

特徴は、リニアリティ。

またかよ〜、と思われそうですが、このリニアリティがどこから生まれるのかと申しますと、低速トルク。それもボトムエンドのアイドリング近辺から湧いてくるやつが効いています。

技術的にどうなっているのか、というのはトクイチオートにお問い合わせいただくとして、ここではドライバーサイドからのインプレッションをおこなってみましょう。

低速でのアクセルべダルのビミョーな動きにクルマのレスポンスがついてくる、というこの一点でリニアリティが増して感じられるのです。

ここに気がつけるのは、実はMTよりも、低回転を多用する制御のTIP-S の方だと思います。MTでは、まず2000rpm以下は「絶対に」使わないのがポルシェ乗りのメンタル。そこはTIPでも一緒なんですけれど、ニッポンの路上ではそうもいっていられないわけで。

極低速トルクよりにファインチューンされた、つまり徹底的に路上環境に合わせたという印象が特に強いうちの個体では、マニュアルモードでパチパチやるのは邪道、と思うようになります。

そんなことしなくても、クルマがついてきちゃう、ってのが主な理由っす!

トルクを利した積極的にDレンジを使うドライビングのあまりの気持ちよさのトリコとなって、あれ?どうして、となって考察する中、わからずに寝入り端になって(おせーわ)ボトムエンドのレスポンスの異様さに気がつくのです。そうか、アレのおかげだったか、と。

とかくクルマの楽しみといった場合には、パワーであるとかスピードであるとか、そういう方面にいきがちですけれど、そんなの現実の路上ではあんまり意味がないんですよ、ってのがトクイチからのメッセージ。

そこではない、60kmhまでにどう転がすのか、その領域にクルマの楽しみを見いだせるのかどうか、甚だ例外的ではありますけれど、トクイチの整備はそこを向いている気がいたします。

tip-sは、ポルシェの各モデルに2008年まで装備されたフツーのトルコンAT。90年の964カレラ2でデビューののち、歴代モデルに連綿と載せられてきて、ボクスターではこの08が最後。以降、ツインクラッチのPDKに移行しました。

アウディ供給といわれるこの5速ATは制御のみポルシェ仕立てとなっていて、細部はスポーティな仕立てとなっていますけれど、どう楽しむかは、乗り手がどの部分を引き出すかどうかにゆだねられております。

このtip-sは、乗り手の力量、というか、お好みでポテンシャルを引き出せる仕組みになっているのに気がつかずに乗っていると甚だもったいないきめ細かい制御が落とし込まれていて、なかなかに味わい深いです。チョイ乗りで書かれたインプレなどではザンネンな内容が多くて、まっことアレですのう。

RVはともかく、スポーツカー向けとしてはそういう印象だけで不人気な装備ですけれど、使い方次第というわけ。

tip  の実態はあまり知られていない、というか、オーナーにしかわからない領域が多いと思います。このミッションを2.7のボクスターでどう味わうのか、ここ数年随分と楽しませていただきますた。

ATフルードの交換サイクルがありえないほど長い(8万キロ推奨!)のと、低速トルクの細さでもって、2速発進からくるトロさが前面に出てしまっていたのが入手当時の印象ですけれど、ボトムエンドのトルクはトクイチの整備と距離を経るに従って劇的に向上。

今回のソリューションでは、フツーの人には1速発進だと感じられるレベルだと思います。というか、低速ほど楽しい!ここ、すごいと思う。

08のボクスターは特にそうなのですが、動き始めからの脚のしなやかさが特徴。05あたりだとビシビシくる低速度域でもタタン、といっていなしてしまいます。さらに低速でのタイアからの情報量がハンパなく多い。路面の状況が手に取るようにわかってしまう一方で、気持ちよく湧きまくるトルクに乗せられておりますと、

今度は矢のような直安性能がやってきて、天井知らずに速度が伸びてしまいます(運転はマナーを守って安全に)。

で、ここが一番でかいのですが、今回のソリューションではアクセルオフに対してのレスポンスもすごい!ブレーキを踏むことなく、綺麗に速度調節ができてしまうのは一体なぜ?ここでもリニアリティを感じることとなって、速度を上げられない日本の路上に特化した仕立てが実現しているのです。

いやあ、本当にすごい。素晴らしい!抑揚がはっきりしているというか、クルマが落ち着いた大人の仕立てになっているという印象です。ボディとタイア、路面の関係が常に「適正に」保たれている。

あまりにもすごいので、思わずB子さんにも同じソリューションを施してしまいましたとさ(爆)。

ううむ、こうなると、もはや2台ともお宝。ボクスターも手元に来てから早6年にもなるんですけれど、手放せない個体へと成長を遂げてしまいますた。

なにに乗るか、ではなくて、どう乗るか。ここに一つのソリューションがあります!

と、なにを大ゲサな、と思ったそこのアナタ。こればっかりは自分のクルマに施してみないことには理解できません。理解、というより体感なのですが、クルマに正しく、一台に長く乗りたい、と考えるすべてのドライバーにオススメしたいっす!

一旦クルマがこのサイクルに乗ってしまった場合には、クルマ全体の消耗が抑えられてどんどん成長してゆく印象。路面に抗っていない感じが強くするのと、距離を経るにしたがってクルマがさらに落ち着くので、手放せなくなる、というわけです。

 どう乗るか、私が申しますのはそういうことです。ううむ。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。