そういえば、一点だけ、イヴェント開催中である、と、ほのめかす部分が店内にございました。
そう、画像のような色見本が出しっぱなしになっているのです。これ、普段は店員に言わないと出してもらえないブツですが、こうしてお店に入ってすぐのテーブルに並べられておりました。これでイヴェント中である、というのが示されているのです。
ううむ、控えめ〜。というか、さりげなくてオサレ。でも、そうっすよね。「売り出し中」なんて貼り出しちゃうのは、エルメスのセンスにはない(きつぱり)。
この色見本帳は、それこそマニヤにはヨダレもの。こいつを片手に数時間。悩み抜いて数多ある選択肢のなかから、自分のワードローブや履いてゆくシーン、さまざまなモデルの雰囲気などなどの組み立てをおこなって注文に結びつける作業ほど楽しいものはありません。
ニッポンのスーツでいう、イージーオーダー、ということになりますけれど、コトがJohn LobbのBy Request となった場合には、事情が違います。さらにここはパリ!!さっきまでエルメス本店の空気吸ってたんですから〜(ブランド狂い)。
並べられている商品がまたニクい!画像のような王道モデルばかり。
ヘンテコリンな最新モデルは、隅のほう。ざまあみろ、ってなもんですよ(誰にいってるの)。歯牙にもかけない扱いで、潔いったらありゃしないわけで、ディスプレイを見るうちに、注文する気持ちがどんどん増殖してくるのが、自分でもわかります(大変危険な兆候ですね〜)。
ズバーリ、St Germainのお店が売りたがっているのは、コアコレクションと呼ぶ、王道のラインなのです。ロンドンとは真逆。
その辺りを件の店長さんに振ってみますと、自分の好みをここで語るわけにはゆかないが、このブランドのコアになっているのは流麗な木型に載せた、流行に流されないオーソドクスなライン。
パリでも新ラインやスニーカーなども、売らないわけではないが、じっさいにはまあね〜、そのう(歯切れがわるい)、とのことですた。
まあそうでしょうなあ、といってどんどん盛り上がります。メトロの中や、さっきのレストランでも散々、モデルや色を考えてはいたのですが、10年ぶりのパリ上陸でコーフンしているうえに、降って湧いたようなバイリクエスト騒ぎなのですから、そう簡単に決まりっこありません。
が、こんなお店の空気感を感じたら、アータ!
お話をする中で、なにか響くものがあれば買い物をするか、くらいで入店したはずなのに、もう夢中でモデル選定に走っている自分には呆れるばかり(アホだわ〜)。
そんななか、イヤーモデルの話になったのですが、ここからがスペシャルでした。店長の記憶にはこれらすべてのモデルのディテールや仕様が完全にインプットされているのは当然としても(私ができてるくらいですから)、
それら各イヤーモデルを今回のイヴェントで注文可なのか不可なのか、までを即答するのには参りますた(仰けぞる)。
さらに詰めたお話をいたしますと、今回は必ずしもオリジナルにこだわらずに、色や付属パーツなどをある程度、いじれるようになっているらしい。
どういうことかと申しますと、イヤーモデルというのは年に一度の限定モデルで、完売以降は当然、2度と手に入らないものという位置付け。
ですから、発売時に存在しなかった仕様を後から注文しようとしても、当然バツ。そもそも、イヤーモデルをバイリクエストで注文受けちゃったら、矛盾するんですけどね。まあ、それはこっちへ置いといて。
今回はそれ(=イヤーモデルのバイリクエスト、そいつをさらにチューンナップ)が可能なのだ、というではありませんか!
つまり色やワイズ、金具の色やソールの仕様などなども限定的ではあるが、変更可能である由。
ふうん。うれしいような、残念なような、マニヤとしても、あのイヤーモデルの聖域を犯すようで、まことにフクザツですが、できるってんですから、しゃーない。
こういう方針はディレクターのすげ替えで、できるようになったりできなくなったり、というのを過去に繰り返しているらしい。
ならば、というので、私のココロは決まりますた!
詳細次号。
限定モデルをイジれるなんて、すごいですね!