嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

履き道楽2015 ロンドンの思い出にひたりつつJohn Lobb 2010のお手入れをおこなっておく

2015-03-09 18:45:13 | 履き道楽

いやはや、忙中閑あり(爆)。というほどでもありませんが、john lobbのイヤーモデルのなかでも、異色であると言われるこの2010。ひさびさに引っ張り出してみましたらば、そこらぢゅうカチカチ(涙)。しばらく放っておくとこれですよ。まったく目が離せませんが、このあたりも実は、クツの良いところなのです。

クツ磨きはそれこそわたしの日課。毎日、その日にお世話になったクツを安置。翌日の午前中にシューツリーを装備。午後に磨き上げる、の繰り返しをおこなっております。え?あ、なに?防寒靴ばっかり履いてるんぢゃないのって?それがねえ~、ロンドンから戻ってからこちら、死ぬ気になって(死ななくていいから)ジョンロブの靴ばっかり履いてるんですよこれが(爆)。

結果、本当に良い。履きこむにしたがって、靴が寄り添ってくる気がいたします。

今回の旅では、jodphur2を4泊6日にわたって履きつづけたのですが、そのかん、どんどん靴が馴染むのが感じられて、感動してしまった、というわけ。一見華奢にもみえるDワイズのjodphur2なのですが、どっこいこれだけ履き倒しても、どうってことはない。型崩れもほとんどありませんし、なんといっても1日に数キロの歩行、のほかに、雨にも当ててましたから、ということは、ものすごい水分にさらされていたはずなのですが、シミにもならず。さっすが英国靴、さすがjohn lobb プロダクツ、というわけです、はい。

 

ミュージアムカーフには、出発前にできるだけクリームを塗り込んでおいたので、油断してお手入れグッズは持参しなかったのですが、これは失敗。できればもう一足持って、ローテーションを組めていればさらによかったか、とハンセーしきりでございます。

さて、ロンドンのお店ではTyburnという、John Lobb London 店舗限定のダブルバックルモデルを拝ませていただいたのですが、レーセイに観察してみますと、これは2010のリメイク、と解釈するのよりも、過去にあったNasebyというダブルバックルの復刻である、というのが正しそう。

 

画像は、左Naseby、右がTyburn。どうです。バックル以外はほぼ同じ、といってよい。全体のバランスもほぼ同じなので、あきらかにリメイクといってよいでしょう、多分。私も現物を店頭で見かけた折には、あれ?Naseby?と勘違いしたほどでございます。 

おそらくバイリクエストでも注文殺到だったはずの人気モデルな関係で、再リリースに近い、Tyburnの発表となったのでしょうが、今後の展開もまた見ものです。

2010は、一見似ている造形なのですが、それは結果に過ぎない。基本、ダブルバックルのままどこまで単純に作り込めるか、とその辺りを突き詰めていった一足がこれのはず。一枚革で完結しているあたりが、とにかく超絶技巧の連続ワザで、TyburnやNasebyとは全く違う次元である、という解釈ができます。

また、使われているレザーが、ミスティカーフとよばれる、独特の肌理を持つ極上革なのも効いています。プレステージをはるかに超えているのがイヤーモデルの証。年に一度のリリースはやはりダテではなかった、というわけです。

こんかいはクリームだけで5日ほどかけて「拭いて」みたのですが、なかなかなツヤ。非常に上品で、造形のうつくしさが際立ちました(自己満ご容赦)。

いかがです?黒の靴としてはなんとも色気がある、というか味わいがあるでしょう?

ロウ分をできる限りおさえてみがいた結果なのですが、ミスティカーフはこういう仕上げが一番だと思われます。これまた自己満ご容赦。10年後、20年後が楽しみな昨今でございます。

 


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