ところで靴のサイズは微妙です。時間帯によって、数mmづつ、大きくなったり小さくなったり。日々繰り返しているわけで、靴を履いて仕事をしている場合には、みなさまも日常感じておられることでしょう。
朝はゆるくても、晩にはきつく感じられたりする、アレですね。
私のサイズは日本サイズ25.5cm。英国サイズ6.5。きょうびの日本人としては、若干小さめですけれど、テイパーがきつくなってきた昨今のパンツに合わせた場合には視覚的に「バランスの良い」サイズである、と認識しております。これは私の意思ではありません(爆)。
さて、靴のサイズ、というか、大きさの目安の表現には、サイズのみで語られている場合がほとんどです。
もうひとつの要素、通称、ワイズ(ウィズと表記する場合もありますが、便宜上ワイズとします)も、ベストフィットのためには、考慮に入れなければなりません。
widthは、wideから来ているので、足幅、のことだ、と勘違いしそうになりますが、足の周囲の寸法のこと。自分のワイズ、ひいてはワイズを含めた総体としてのサイズを知っておくのは、必要なことです。
日本の靴屋の店頭では、EEないしはEEE展開が中心で、細めのDワイズは、軽視または無視されている場合が多く、買う側からの要求をしてゆかない限り、理想のフィットは得られないのが現状です。
このサイズの概念は、各国ごとにまちまちで、目安がそれぞれ違っており、英国サイズで7でも米国だと8だったり、イタリヤでは41だったり、さらにメーカーごとに違うし、同一ブランドでもベースになる木型の形状によってフィーリングが違ったりしてしまうので厄介。
目安などはどこにもないので、経験といいますか、数こなす、ってのもまんざら冗談でわないです(爆)。
さて、私のサイズはJohnLobbの7000を履く場合には、7D「程度」。
実は、国内正規店のジョンロブの通常の店頭ラインナップはEが中心。あってもEEしか用意されておらず、Dの場合には必然的にバイリクエスト扱いになってしまうので、今までのコレクションでは6.5Eというサイズに甘んじておりました。
というか、自分の本当のサイズを知らずに大枚はたき続けていた、ということです。
そう、どんなに高価な靴を買うにしても、売り場にいる店員さんは、カンでアドバイスしてくれるだけ。本当のフィットは自分で判断するしかないのです。ここ、キモっす!そんな時に頼りになるのは、まさに経験値。
失敗もまた財産、と考えて、できるだけ多くの靴を試すべきである、というのが私の意見です。理想の木型に巡り合うまで、というわけですね。
さて、その6.5Eなのですが、実際に履いていても、実は支障などなく、むしろ履き始めなどは7Dに比べて、6.5Eのほうが気持ちよくフィットするのです。朝から晩まで履き続けるようなシーンでは、左足の小指あたりが当たって痛む、のようなことがモデルによって起きておりました。
既成靴だし、こんなものか、と思っていたのですが、それを店頭で話しますと、入念なフィッティングののち(たしか30分くらいかけて測ってもらいました)サイズをひとつ上げて、E→D、つまり7Dをお試しになってはいかがでしょう?といわれて、始まっちゃったのが、私のDワイズシフトキャンペーン(爆)なのですた。
今を去ること6年まえ。
Dワイズの靴の場合ですと、朝履いて、そのまま夜まで、場合によってはそのまま眠ってもおっけい、というくらいに心地よく、適度に余裕もありながら気持ちよく過ごせる、というまさに理想のフィットなのです。あ、John Lobb 7000限定ですが。
試しに、今回の旅では、件のCity2を、眠る時以外は飛行機の中で履き続けてみたのですが、本当に見事なフィットでした。
画像のJohn Lobb 2010。長年愛用している一足ですが、じつはこいつが手元に残った最後のEワイズです。
イヤーモデルの国内向けではEのみの販売だったので、当然っちゃ当然ですが、あまりにもカッコ良いのと、ダブルバックルが得意のJohn Lobbの中でも、いまだに最高傑作だと思っているので、どうしても手放せずにいたものです。
さて、お話をJohn Lobb Paris St.Germainに戻しましょう。
店頭で、ノセるのがお上手なテンチョーと話すうちに、このワイズの話になり、Dワイズは同じ木型でも靴がよりスマートに見えるし、気に入ってしまって、6年前からラインナップを入れ替えてるところでねえ、といいながら思い出しました。
そうか、最後に1足だけEワイズがあったよなあ、と。しかもコレクションの頂点にあるといってよい、JL2010のみEワイズかぁ〜。
テンチョーに2010のお話をいたしましたら、それだっ、というわけです!
なんと今回のバイリクエストでは注文可能になっており、今ならば色もいじれるし、あのエルメスデザインの5角形バックルさえ3色から選べるというではありませんか。
というわけで、そう、私のこんかいの注文は、このJL2010を、Dワイズでリメイクするというものです!!どは〜、オトナっ(自画自賛御容赦)。
ゲージツといってよい、モーチョーの手術痕みたいな(爆)スキンステッチの仕上がりをはじめ、木型7000番の美しさを際立たせる1ピース造形が際立ちます。
この靴、一枚の革で作られているんですよっ(コーフン気味)!
ものすごいお値段だったのを、苦労して買った思い出がまざまざと蘇りますが、冷静に考えますと、私にとりましては、ベストサイズではない一足ということになります。
無理して履いていても、しゃーない、と、ここは割り切って、新たにパリでご注文ということになりますた。
ただし、そこはせっかくのバイリクエスト。引取りまで1年もかける、というか、かかっちゃう再制作なのですから、ちょいとだけ凝って、
ブラックだったものをこの色に変更ですよっ(狂喜乱舞)。このDeep Blueってのが私のリクエスト(C:John Lobb)!
Navyと言わずにDeep Blueとくるか、ということで、オサレ心を思い切りくすぐってくださいます。
確かこの色は、JL2007でデビューさせたものだと思います。とのことだったので、もしかしてそのJL2007、この先のHotel Belle Amiのガラスケースに飾っていたことありませんか?と尋ねたら、
当時、この店でペーペーだった私が企画して、飾りに出向いたんですよ、といってもう盛り上がる盛り上がる。
じつは10年前のパリ旅行で泊めていただいたのが、Hotel Belle Ami。この店からも、徒歩5分のところです。当時はベルルッティ以外に興味を持っておらず、ふうん、こんなところにジョンロブが並んでらあ。でもミョーな色だ、といってそのガラスケースに収められていた、JL2007 を横目で眺めていたのでした。
サイドの切り替えラインが特に印象的で、一度見たら忘れられない靴です。ううむ、なんというご縁!!
ちなみに、ベラミのクロワッサンは天下一品。多分、外注でしょうが本当にうまかった!!
画像のJL2007は、MistyではなくLord Calf という素材ですが、色がDeep Blue。実際には、ほぼブラックに見えるまだら有りのダークネイビーです。
個人的に、このJL2010では、ブラックこそがお似合いであると考えているので、オリジナルのブラックに敬意を表したうえで、一見ブラックに見えるこの色を選択いたしました。オマージュというわけですがね。
ちなみにJL2010には、厚手に分類されるミュージアムカーフは使用不可だそうです。私の第一希望は、Navy Museum Calfでのリメイクだったのですが、中、薄手のMistyかOxfordからの選択が必須な由。多分、横っちょのスキンステッチの影響でしょう。
ダンナ、お引き取りは?というので、そりゃあもちろんこの店さぁ、ということにしてまいりましたとさ。
来春の旅の目的地が決まった瞬間でございました(いいのかー)。
というわけで、John Lobb Paris St.Germainを辞したのは午後4時半(!)。お店には2時間もいて、盛り上がり続けていたことになります(汗)。
うへえ、せっかくのパリなのに、ロンドン行きユーロスターの発車まであと3時間切ってるし。
いやあ、でも本望っす!こんな始末では、靴に興味のない連れなどがいた日には大ゲンカでしょうなあ〜(爆)。
ひとり旅ならではの非常にゼータクな時間が過ごせました。
え?手持ちのJL2010は、どうするのかって?
アクセス数2500越え(6日間で、ですよ) ウォッチリスト105!という前代未聞の盛り上がり (一部意味明瞭)ののち、「即決価格」で引き取られていったとか、いかなかったとか(抜け目ないし)。
画像は、到着直後にエルメスの本店に向かう途中に通りかかった、Place Vandome。この広場をぐるりと取り囲むように、家庭画報に毎月、名前が並ぶ(完全意味明瞭)名店が並んでいます。
あの、Hotel Ritzも、この左奥。
最近、リニューアルして、若干ですけど入りやすくなったか?今回は、時間の都合で入りませんですた。ご用ないし(爆)。
ところで、レーセーになって考えてみますと、こんかいのJL2010のリメイク、というのは
これの存在を考えますと、意外にあり得る、というか合理的なことだと思われます。
もちろん、超絶技巧をいくつも落とし込んである2010とは、レベルが違いますけれど、バックルに使われている金具などが、工場に常備される、ってことは定番化、というか注文制作しやすい、ということでしょう。ただし、こいつもロンドン店に行かないと買えないスペシャルモデルです。
プレステージクラスですからして、Phillip 2閣下を買うのと同等。それなりの覚悟がいるわけですが、こんかいのJL2010のバイリクエストはそこへさらに€400を足さなければなりません、ときた(脱力)。
ついで、と言ってはアレですけれど、
画像のイヤーモデル2017FOWEYは、歴代イヤーモデルの中でも最高価格。なんと378000円だというから、驚くではありませんかっ!
さよう、イヤーモデルってのはそれくらいありがたいものなのです(きつぱり)。
今回も、イヤーモデルの再制作と言うのですからね、ゼータクいうならカネ払え、というわけです。まあこの程度でしたら、想定の範囲内です、っちゅうかしゃーない(爆)。
おととし、ロンドンに出向いた折に見かけて、2010のリメイクぢゃねえか、といってショックを受けていたのですが、ここへきて意外な恩恵にあずかることとなりますた。
いっそこのモデルでもよかったのかな、と考えはしますけれど、2010のオーナーとしては、やはり、ねえ!
イヤーモデルがバイリクエストできるなんて
いやー、好きモノ店長に乾杯(完敗)です!
私も来週ロンドンに行きます!
ジャーミンのロブに行くつもりです。
管理人様のようには買い物は出来ないと思いますが、頑張って何か買いたいと思ってます。(何せ、海外で靴なんて買ったことないので。)ウィリアムかエドワードの後継靴でも買えたらと思っていますが、日本より安いのでしょうか。(ウィリアムで1000ポンドぐらいですか?)
いやあ、よかったです。思い通りの買い物ができて、本当にシヤワセでした。シャンパンで乾杯したかったです。
おおっ、出発直前ぢゃないですかっ!
定価で買われるつもりでしたら、ロンドン店限定モデルはいかがでしょうかね?記念になるし。お安いほうが、という場合にはNorth Hamptonのアウトレットまで行く価値はあると思います。いってらっしゃいませ!