King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

何で大統領候補に意見を聞くの?

2008年09月27日 23時29分42秒 | 日々のこと
日本のテレビのニュースを聞いているだけだと、
米の金融機関の破綻について、あまりピンと来ません。
巨大金融業が次々に破綻しているのに、ずいぶんと
のんびりと安閑としています。

最初のフレディマック、ファニーメイの住宅金融専門の
破綻なら米の不動産市場の悪化だけで済んだのに、
米の金融システムは、不動産のローン債権を証券ビジネス
として全世界に売り出しており、さらに売り出した金融
機関の債務保証という債務をまた証券として売り出したり
複雑に絡み合った金融システムが今音を立てて崩れようと
しています。

日本もバブル崩壊に端を発した銀行の再編時には、国が
公的資金を注入して危機を乗り切りました。それにより
銀行は、息を吹き返し、株価も上昇して公的資金も返済
されたかのようにいわれていました。今回米の巨額の
公的資金投入に対して日本の公的資金がどのように使われた
かよくテレビで紹介されていますが、それによるとまだ
半分も返済されていません。

つまり、今後景気が悪くなり日本の不良債権が多くなれば
また資本不足に陥り、資産デフレと金融不全を同時にかぶる
ことになります。そんな大事なときなのに、次の選挙が
いつになるかとか大臣の失言とか小泉元首相の引退とか
ろくでもないニュースばかりです。

前FRB議長のアランによると宮沢蔵相に当時、つぶすべき
銀行はつぶして積極的に破綻銀行の資産を整理して不動産
の処理を加速するというものでした。経済成長期の日本では
一部上場の企業はめったにつぶれるものでなく、まして株券
が本当に紙切れになるというのもまれなことでした。それでも
時代に後れた会社はつぶれるという教訓は移り変わりの速い
世では、時代についてこれないところや努力不足でないところ
でないとつぶれなかったのです。

まして、日本の土地はずっと右肩上がりで土地を担保にとって
おけば、銀行としては間違いなかったのです。ところが
都心の一等地でも値下がりするという事態に誰も新規事業に
尻込みする頃には、せっかくの値下がりした都内の土地も
次々に外資に買われるという事態になりました。そんなことも
あり、景気回復が言われたついこの間まで、それを実感できた
人はほとんどなく、景気のよさそうな人は逮捕されたり、
資産デフレは続いていました。

そこに来て、昨年から始まった米の金融危機は、行き先の
解らない状況になっています。大手銀行ワコビアの身売り
検討や次はどこがという疑念はとまることがありません。
そんな金融機関に対して日本の銀行や証券は積極的に資金
参加して余力の強さを示しましたが、まだ金融危機が始まっ
たばかりの今は、それが果たしてどう出るのかまるで解り
ません。

とどのつまり、この金融危機を招いたのもテロの攻撃に
あったのも全てブッシュのせいだというのが民主党の
オバマ氏の立場ですが、そのオバマ氏とマケイン氏を
ホワイトハウスに招いて経済対策を話し合ったといいます。
新聞では、オバマ氏とマケイン氏とも公的資金の投入には
賛成と書かれていますが、マケイン氏がまとまりかけた
公的資金投入に反対意見を出してまとまらなかったと
いうのがテレビで聞いたニュースでした。

その後、マケイン氏は予定されていたテレビ討論会も中止
すべきだといって開かれるのかどうかという状態だった
というのが、公的資金投入に反対している人たちの多さに
気を使った演出のような形に取れ、結局討論会は開かれ
結果は五分五分だといいます。

そこで思ったのは、なぜブッシュは政府の決定に時期
大統領候補の意見を聞かなければならなかったのかという
ことです。あまり現政権の失敗を言えば、共和党の不利に
なるのでマケイン氏のとった行動はすべて次に勝利する
ための行動だということでしょう。自分は一匹狼で党とは
一線を画していたという立場や今回のホワイトハウスでの
スタントプレイのような行動もそうとれば納得できます。

ただ、そんなことをさせるようなブッシュの今回の会合
がより金融危機の深刻さを印象付けました。
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