King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

奇跡の映像

2010年11月09日 09時40分47秒 | 読書
日経の文化欄には何度か登場していましたが、
最近発刊される本は非常に少なく、履歴書も
載ったのでもう静かに世の中から消えて
行ってしまうのかと思われた私の好きな作家
の一人、北杜夫でした。

それが、先日のNHKの週間ブックレビューに
登場したのです。

録画したものを昨日見たのですが、まさか
の奇跡映像でした。

過去にもテレビ登場した事はありますが、
それは全て後に書かれたエッセイにより躁病時
の行動だというのです。

最後に見たテレビ映像では、番組中に鬱になり
酒、水しか口にしなくなったと字幕が出ました。

北杜夫が思い出のヨーロッパの地を巡るという
旅番組だったのです。

しかし、それからテレビ登場はなく、本も本格
小説はなく、雑誌に出たまばらな物をまとめた
ような本しかでなくなりました。

それが、いきなり一番の流行作家が新作を
引っさげて自作を語るような番組に出たもんで
私の驚きと喜びはとてつもなく大きなもの
でした。

過去の躁病気のテレビ番組でもこの人大丈夫
というような口のまとまりのない不明瞭な言葉
で、テレビに出る事でファンを減らすのでは
と心配してしまうような映像でした。

今度の映像は過去のどの番組より、はっきりと
しっかりと発言しており、顔色も健康そのもので
この変わりようはどうしたものかと思いました。

もう躁とか鬱とか卒業したのでしょうか。

それとも過去にないという躁常態なのでしょうか。

なんと映像では、長々と浪曲なども披露して
います。

ただ、今度発刊された本は辻氏との往復書簡と
いうもので、とっておいた手紙を本にしたもの
であり、創作ではないのです。

それが唯一残念なことですが、元気な姿が
見られたのは大きな喜びでした。
コメント
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