King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

月夜のサロンコンサート

2010年11月23日 21時41分47秒 | ライブ・コンサート・展覧会
いつもの地元ピアニストのコンサートに行って来ました。

いつもやるホールでなくて、昔ショパンなども小さな
サロンでよく音楽会を開いたのにちなみ秩父の盆地を
見下ろす小高い斜面に立つカフェでのコンサートでした。

演目もほとんどがショパンであり、小品のワルツや幻想曲
で、途中に箸休めのクープランの曲をはさむという構成で
月夜でドビュッシーの月の光とか水の反映と言った幻想的
な曲も似合う夜でした。

そして、私は中でもショパンのノクターンが胸に迫り
ぐっと来ました。

とてつもない美しく切ない旋律が月夜に映え、実に
美しく響きました。

ただ、ピアノサイドで聞いたのでいつもよりキンキンと
ピアノの音がきつく耳に刺すように響き音響的には
いつものホールに劣り、最初は耳障りでした。

普段はトークもなく進みますが、サロンと言うことで
客席とピアノが近く、曲ごとに一言はいる感じで、
より近くピアノ演奏が感じられる演出となっていました。

トークがあったかと思えばすぐに曲にはいっていて
その切り替えが余りに急に進み、音が消えるまで待って
拍手の時もあれば、まだ音が消えきらないのに、ピア
ニストのフィニッシュのポーズがあると即拍手が
はいり、少し興ざめ。

最後まで聞いてやはり、前半のノクターン2番がこの
夜最高の曲でした。

この構成の流れなら、後半は雨だれの前奏曲集のなか
から、恋人ジョルジュサンドとの恋の路行きの曲とその
破局の頃の舟歌と続くのが定番と思いきや、やはり
前半と同じ構成で最後の力一杯スケルツォを弾いて
終わりました。

まあ安定した持ちねたで勝負したということなのか。

サロンコンサートだからなのか。

肩肘張らない何もてらいもないいつもの曲という
感じで終わりました。

それでも私も文句も不満もありません。

こういうものなのでしょう。

途中のトークでは、フィンランドでカルチャーショック
を受けたと言う内容にもっと詳しく聞きたかったと
思いました。

聴衆も演者も音楽を欲している感じという話が印象に
残ったのですが、もっと具体的に話を聞きたかったと
思ったのです。

音楽の事はかなり具体的に現実に音を弾いてこんな曲と
か、こんな音にと具体的に示されたので余計そんな気持ち
を持ったのかもしれません。

美しい物を作るというのは、美しい精神とか魂とか技術
だけで済まされないものがあると感じる月夜のコンサート
でした。

難曲より、やさしいノクターンに聞き所があったと言うあたり
私がへそ曲がりなのか、演者のハートのせいなのか。
コメント
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