King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

アーチーパンジャミ襲来

2020年06月05日 00時26分03秒 | 映画

テレビの録画もDlifeもなくなり、夜もアマゾンビデオを見ています。

 

今見ているのは『ブラインドスポット』です。シーズン1がジェーンの逮捕で終わったのですが、

シーズン2はどう始まるかといえばなぜかジェーンの身柄はCIAによって拷問をされているという

設定です。それが三か月にも及ぶというのですが、どうもこれは話に無理があるとしか言いようがなく、

ジェーンの立ち位置というのが見ている人の共感を呼ぶ設定で、ストーリー的に要約して記すと

そもそもニューヨークのタイムズスクエアに全裸で刺青だらけの記憶喪失の女が捨てられていたという

衝撃的な始まりながら、記憶がないけれど彼女のスキルはヘリの操縦からジェット機の操縦と

ロシア語や中国語やスペイン語などの語学能力、格闘技や銃の取り扱いやその射撃能力など高いものが

あり、その全身の刺青からテロが次々に阻止され命を救っていきます。当然FBIの仲間ともいい関係を

築き上司や接触してくる仲間と蘇る記憶と本人は当初作戦通り、ウェラーの隣人ティラーショーを演じ

親しくなります。

 

しかし、シーズン1の最後の方でウェラーの父親が死ぬ間際に自分が殺したと告白して一気に立場が暗転し、最後は

逮捕に至るわけですが、要約サイトやネタバレブログなどで書かれているような筋書きにするとどうも

このシリーズのジェーンの立ち位置と観客との共感が表現できず、物語の味も損なってしまうように思います。

物語の稚拙さや実際のお役所仕事の杜撰さなどが加味されておらず、物語の突飛さや勢いばかりが先走り

ますが、こういう勢いで見てしまうのもサスペンスでは大事です。

 

細かいことは省き、シーズン2を見始めて一番の衝撃はカリンダシャルマのアーチーパンジャビがチームに加わり

ます。役はNSAのナズカマルとしてジェーンをCIAから救い、またFBIの元のチームに戻してくれます。これは

スパイとして送り込まれたジェーンを二重スパイとして利用してテロ組織をつぶすためということなのですが、

そもそも派手な刺青と記憶を消してまで潜り込ませる必要性とか他の潜伏スパイなどもいることから物語の信憑性も

より薄くなったのですが、それを引き締めるアーチーパンジャビの存在です。

 

この物語の魅力はジェーンが当初の予定とは違う自我に目覚め、世の中のテロをつぶすことに正義と正しい道を行く

正当性を持つことで見る側の共感を作り出しています。つまりは我々視聴者は実に頼りない立場のジェーンに感情移入し

正義を実行しているという共感を抱かせることです。実際には悪の手先になり、その計画の一部を着実にこなして

テロを阻止しているだけのようですが、これはブラックリストと同じでFBIを利用して商売敵を次々に消す情報提供に

似ています。

 

それにFBIの違法捜査や秘密のファイルとか謎が絡んでいてどっちが正義か何が正しいのかという謎と正義のせめぎ合い

という複雑な構図をジェーンとともに不思議な暗号の刺青の謎を解いていくというストーリーです。

だから単純にまとめサイトのようにジェーンがスパイとして送り込まれたといわれてしまうと先の面白さもなくなって

しまうのです。これから見る人はその点おきを付けください。何の先入観もなしで見るのがよいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする