金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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10:酒見賢一 『陋巷に在り〈12〉』

2007-01-17 11:20:14 | 07 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り〈12〉聖の巻』(新潮社)
★★★★★

悪悦との死闘の末、太長老は息絶え、長老たちも自刎した。
顔氏滅亡の場にかけつけた顔回は、子蓉への情熱を確認し、
尼丘の神への怒りを爆発させる。
一方、成城を包囲していた孔子は、悪悦の細工によって
尼丘攻撃を知らされ衝撃を受け、倒れてしまう。
子服景伯の捨て身の作戦によって、處父は敗北を知るが
自分を信じてついてきた者たちのため退くことができない。
孔子という求心力を欠いた魯軍は、成城毀壊を果たせないまま
軍を引き、孔子は自らの罪について煩悶する。


悪悦、なんで生きてるの!? とブルブル。
少正卯のもとへ運ばれた悪悦、最後の最後で
またなにかやらかすんでしょうか。
顔氏滅亡の話も悲しかったのだけれど、
孟孫家のため、互いに自らの信じる道をつきすすむ處父と景伯が
激突するところはやりきれない。

はあいかわらず存在感がない。
死の間際に愛を確認しあってる子蓉と顔回を見て、
なにか思うところあるだろうに……。
顔回はを選ぶという予言めいた会話は、今までに何度か
出てきたのだけど、そっちのほうは進展があるのかしらー。
そして、とにかく先生大好き!な子路がかわいい。
孔子と子路のやり取りはなぜかいつも笑える。
孔子は顔回を愛しているようにはちっとも見えず、
「最愛の弟子」ってむしろ子路のほうでは??

とうとう残りあと一巻を残すのみ。

コメント
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