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★★★★★
満州の覇者になると占い師から予言された張作霖。
馬賊の頭目となった彼は、手下となった春雷とともに
永陵に足を踏み入れ、乾隆帝が隠したといわれる
中華皇帝の証「龍玉」を手にする。
正気を失ったはずの光緒帝から「龍玉」の存在を
知らされた袁世凱も、その行方を追うことになるが……
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友だちが貸してくれました。久々の浅田次郎。
『蒼穹の昴』から話はつながっているのだけど、
あれ読んだのってもう6年くらい前なのでは……
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うろ覚えではあったのだけど、読み進めながら、
「あ、この人出てきてた!」
と思い出していました。
前半で張作霖が持ち出した「龍玉」は偽ものなんですね。
あっちこっちで予言しすぎだろう占い師の婆さん
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この人があの人になって、これはこういう意味で……と
予言のヒントから推測するのは楽しいのだけど、
張作霖のたどる運命はわかっているだけに、
最初からすでに切ない。
歴史の切り取り方や任侠なエピソードは
浅田ワールド健在といった感じで楽しめ、一気読み。
二巻が楽しみです。
しかし、『蒼穹の昴』でも思ったのだけど、
西太后のキャピキャピな語り口だけなぜだかものすごく違和感。
好きなんだけどね。