金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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35:小川洋子 『やさしい訴え』

2008-05-28 15:19:11 | 08 本の感想
小川洋子『やさしい訴え』(文春文庫)
★★★★★

破綻しかけた夫との生活から逃れ、山奥の別荘にやってきた
カリグラファーの瑠璃子。
チェンバロを作る新田とその弟子である薫に出会い、
ふたりの作り出す世界に惹かれていくが……

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思うままにならない恋の苦しみと残酷さを描きながら、
静かで透き通った空気に満ちた物語。
嫉妬に悩んだり、夫の愛人と直接対決したりする
シーンもあるのだけど、ドロドロしたところがなくて
どこまでも透明で、悲しい。
浮き世離れした雰囲気が好み

小川洋子作品の登場する職業は
神秘的で美しいなあ……
コメント
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