金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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186:ウェブスター 『あしながおじさん』

2010-11-26 12:18:20 | 10 本の感想
ウェブスター『あしながおじさん』(偕成社文庫)
★★★★★

孤児院で過ごすジェルーシャ・アボットは、
書いた作文がお金持ちの評議員の目に留まり、
文才を見込まれ大学へ進学させてもらえることに。
援助の条件は、月に一度、大学生活や勉強について
報告する手紙を書いて送ること。
ジュディと改名したジェルーシャは、一度その後姿を
見かけただけの後見人を「あしながおじさん」と呼び、
返事の来ることのない手紙をせっせと書き送る。

*********************************************

訳は恩地三保子。
「ハウス世界名作劇場」の「私のあしながおじさん」が
好きだったな~と思い出して再読。
第一章以外は、ジュディからあしながおじさんへあてた
手紙で物語が構成されているのだけど、
ユーモアに満ちた文章と笑いをさそうイラスト、
文章から垣間見える大学生活の様子が楽しい。

初めて読んだ小学生のときには感じなかったけど、
今読むと、おじさんの嫉妬とあからさまな妨害工作が
なかなかに気持ち悪いな。
そしてジュディはお調子者で無礼。
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185:中村うさぎ 『こんな私が大嫌い! 』

2010-11-26 00:30:51 | 10 本の感想
中村うさぎ『こんな私が大嫌い!』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

叶恭子さんと並べてイロモノ呼ばわりしてしまいましたが……
こちらも驚くほどまっとうだった!

「『人と自分をくらべるな』ってホントだろうか?」
「自分の顔が大嫌い!」
「自分のカラダが大嫌い!」
「『自分嫌い』という呪い」
「自己評価って上げられるの?」
「『自分嫌い女』の半生」
「『自虐ギャク』のススメ」
「自分の性格が大嫌い!」

の8章から成り立つエッセイ。
筆者によると、「自分嫌い」とは、「自分好き」の裏返し。
理想の自分を高く設定して、理想と現実と差に満足できない。
よく雑誌に書かれている「自分を好きになろう」は
きれいごとに過ぎず、自分嫌いを克服するには
「自分のことを嫌いでも、好きでもない状態」に
至らなければならない、という。

自己評価の低さとか、コンプレックスの原因だとか、
思い当たることが多すぎた
そして、「自分嫌い」=「自分好き」って、よくわかるなあ。
容姿や性格に悩む思春期の女の子たちにはもちろん、
大人にもおすすめしたい一冊。
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