金木犀、薔薇、白木蓮

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3:島田裕巳 『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』

2018-02-13 14:42:13 | 18 本の感想
島田裕巳 『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』 (幻冬舎新書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

「うちって浄土真宗だっけ? 浄土宗?」と
実家に電話したことは、ありませんか?
宗派の違いが解れば、仏教が見えてくる。

日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており
教義や実践方法が大きく異なる。
にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て
菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。
だが親や親戚の葬儀を営む段になって
途端に宗派を気にするようになる。
家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。
そこで初めて「うちは◯◯宗だったのか」と知る。
そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。
本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、
その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、
社会的影響をわかりやすく解説する。

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タイトルに対するアンサーは想定内のもので
何の新しさもなかったので、
別のタイトルのほうがよかったんじゃないかな……と
思うけど、現在までカバーした日本仏教史の概説書として
かなり面白かった。
日本史においては表面的にしか扱われない各宗派の起こりや
特徴、多宗派との関係がわかりやすく説明されていて
初めて知ったことも多い。

スーパースター・空海のあと、
真言宗に目立った人物が登場しなかった理由とか、
押され気味だった天台宗の比叡山延暦寺が
強大な力を持つようになった経緯とか、
漫画『阿・吽』を愛読している身には
感慨深いですな。
仏教史に興味のある人にはお勧め。

コメント
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