金木犀、薔薇、白木蓮

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55-59:里中満智子 『女帝の手記』1~5

2019-03-05 20:45:58 | 19 本の感想
里中満智子『女帝の手記 1~5』(講談社)
★★★☆☆3.5

先輩から借りた漫画。
孝謙・称徳天皇をヒロインに据えた歴史もの。

道教がめちゃ純粋な「いい人」なのが新鮮!
「〇〇天皇」という現在まで続く呼称が
この時期から新たに採用されるようになったこととか、
「藤原広嗣ってめちゃいい血筋だったんじゃん!」とか、
初めて知ったことがたくさんあった。

しかし、孝謙・称徳天皇に対するマイナスイメージは
くつがえらず……。
母の言いなりにならざるをえず、
だれとも結婚できない立場に据えられて
孤独だった……というのはわかるんだけども、
仲麻呂に見切りをつけるところまで
ひたすらバカな女なんである。
仲麻呂を追いやるときには統率力を発揮するんだけど、
結局、思うままにならない男への意趣返しだし、
仲麻呂にしろ道教にしろ、男を愛すると、
急に破格の地位と権力を与えるので、
そりゃあ周囲の反発を食らうよね……としか思えず。

そして聖武天皇、本当にはた迷惑な人だな。


コメント
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