馬部隆弘『椿井文書―日本最大級の偽文書』 (中公新書)
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図、
合戦に参陣した武将のリスト、家系図…。
これらは貴重な史料であり、学校教材や市町村史にも活用されてきた。
しかし、もしそれが後世の偽文書だったら?
しかも、たった一人の人物によって創られたものだとしたら―。
椿井政隆(一七七〇~一八三七)が創り、近畿一円に流布し、
現在も影響を与え続ける数百点にも及ぶ偽文書。その全貌に迫る衝撃の一冊。
************************************
椿井文書については、ずいぶん前からネットで情報収集していたので
「そうなのか!!」という驚きとか発見はなかったのだけど、
整理して解説してもらえるのはありがたい。
「真実かどうかはどうでもいい、町おこしにつながれば」
というスタンス、
斉藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』
でも偽史が定着してしまう背景として言及されていたな。
コロナウイルス騒動で、本当に痛感することが多いのだけど、
物事を視点ごとに切り離して考えるということができない人は
世の中に多い(というか、大部分はそうなのかもしれない)。
多くの人は、
「この文書に書かれていることは嘘である」
「でも、当時の人々の意識や偽書の研究材料として価値がある」
の両方を自分の中に持つことができないんだろう。
だから「この文書、偽書ですよ」と言われて激昂したり、
偽物ならと破棄してしまったりする。
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図、
合戦に参陣した武将のリスト、家系図…。
これらは貴重な史料であり、学校教材や市町村史にも活用されてきた。
しかし、もしそれが後世の偽文書だったら?
しかも、たった一人の人物によって創られたものだとしたら―。
椿井政隆(一七七〇~一八三七)が創り、近畿一円に流布し、
現在も影響を与え続ける数百点にも及ぶ偽文書。その全貌に迫る衝撃の一冊。
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椿井文書については、ずいぶん前からネットで情報収集していたので
「そうなのか!!」という驚きとか発見はなかったのだけど、
整理して解説してもらえるのはありがたい。
「真実かどうかはどうでもいい、町おこしにつながれば」
というスタンス、
斉藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』
でも偽史が定着してしまう背景として言及されていたな。
コロナウイルス騒動で、本当に痛感することが多いのだけど、
物事を視点ごとに切り離して考えるということができない人は
世の中に多い(というか、大部分はそうなのかもしれない)。
多くの人は、
「この文書に書かれていることは嘘である」
「でも、当時の人々の意識や偽書の研究材料として価値がある」
の両方を自分の中に持つことができないんだろう。
だから「この文書、偽書ですよ」と言われて激昂したり、
偽物ならと破棄してしまったりする。