金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『明け方の若者たち』

2022-10-29 19:34:17 | 映画の感想
2022年の映画⑥『明け方の若者たち』(松本花菜 監督)
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間。
明大前で開かれた退屈な飲み会。
そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。
下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、
フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり・・・。
世界が<彼女>で満たされる一方で、
社会人になった<僕>は、""こんなハズじゃなかった人生""に
打ちのめされていく。
息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現在。
夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。
でも、僕はわかっていた。いつか、この時間に終わりが来ることを・・・。
 
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Amazon primeで視聴。
 
エレベーター内に流れていた宣伝以外、
まったく事前知識なしの状態で見始めた。
 
序盤から3分の1以上、
えんえんと「青春」をテーマにしたプロモーションビデオみたいなのが流れ、
 
「垢抜けない版『花束みたいな恋をした』?」
「はやりのヒロインが難病で死ぬ系?」
 
とあれこれ予想しつつも、何も起こらない。
夢いっぱいの大学時代が終わり、
会社に入ってままならない現実に直面するのも、普通といえば普通。
 
「こんな長いベッドシーン、いる???」
とうんざりし始めたころ、
ようやく「彼女と連絡が取れなくなる」という事件が起き、
その理由が明かされる。
 
以下、ネタバレ注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
彼女のほうが既婚者で、主人公も初日にそれを知らされており、
最初から「不倫」なのだった。
よくあるといえばある設定だが、女性のほうが既婚者なのと、
中盤でそれが明かされるのはちょっと珍しい。
身勝手なのが女性のほうで、男の子のほうがダメージを負っているのも。
風俗嬢に失恋の思いを打ち明けるシーン、
ベタだけどちょっと涙ぐんじゃった。
 
カタルシスは全然ないんだけど、
「しっかり爪痕を残した恋」ということで、まあ、いいんじゃないだろうか。
遅くまで飲んで遊んでも元気いっぱいだった、「あのころ」を懐かしむ気持ちは
たぶん多くの人が持ち合わせていて、それを刺激しただけで
コンセプトとしては成功だという気がする。
 
同期のしゅっとした男の子、
人の手柄を横取りする嫌な奴になるのかと思ったが、
そんなことはまったくなく、むしろすごくいい子だった。
 
序盤、彼女の財布が汚いことが視覚的に強調されてたんだけど、
あれは何だったのだろう。
伏線かと思ったが、何にもつながらなかった。
 
彼女サイドから見た短編もあるようだけど、
そっちは気が向いたら見ます。
不倫、「関係ない人間が叩きすぎ」だとは思うんだけど、
やっぱり「フェアじゃない」のはよろしくない。
 

コメント
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