金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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57:澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

2023-03-31 14:56:42 | 23 本の感想
澤村伊智『ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹の会社に、
とある来訪者があった。
取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。
それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。
原因不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。
一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。
真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。
はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか…。
第22回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
 
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映画「来る」は原作とはだいぶん変わっていると聞いていたけれど、
まさか、映画でいいと思っていた二大要素
「霊能者のおばさん(柴田理恵)のかっこいい活躍」
「霊能者大集合」
がどっちも映画オリジナルだったとは……!!
おばさん霊能者、活躍する前にあっさり殺されちゃった……。
 
以下、ネタバレを含みます。
 
 
 
 
原作のほうが、怪異の正体や狙われる理由がはっきりしていたし、
物語の構造も明確だった。
「妻子をもってこそ一人前」とみなされる男、
その夫の持ち物として扱われる女とその子ども、
子を持つことができない男と女。
対比が効いていて、テーマもわかりやすかった。
 
「夫」は相変わらずクズで腹立たしい。
「子どもができなかったらどうする?」の問いかけに、
何の疑問もなく「できない原因は妻」という前提で話をするとことか、
ものすごく「ありそう」だった。
映画では不倫していて同情しづらかった「妻」は、
原作では不倫もせずただひたすらに娘を守ろうとしており、
死ななくて済んでよかった~。
 
ホラーらしい怖さを感じる部分もしっかりあった。
映画と原作、だいぶん違いがあるけれども、
それぞれの良さがあったと思う。
 

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56:小川洋子『とにかく散歩いたしましょう』

2023-03-31 14:26:50 | 23 本の感想
小川洋子『とにかく散歩いたしましょう』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
私が不安を愛犬・ラブに打ち明けると、彼はグイとリードを引っ張った。
“ひとまず心配事は脇に置いて、とにかく散歩いたしましょう。散歩が一番です”。
ハダカデバネズミとの心躍る対面、同郷のフィギュアスケーターを見て流す涙、
そしてラブとの別れ。
本の思い出とともに創作の源泉を明かす珠玉のエッセイ。
 
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kindle unlimitedで。
表紙をちらっと見ただけの印象で、小川糸さんのエッセイだと思っていた。
「今回のエッセイはえらく知的だなあ……中身が詰まってる」
と首をひねりつつ、「もう一人の小川洋子さん」まできてようやく
筆者を勘違いしていたことに気づいた。
電子書籍は、紙の本に比べて、表紙を見ることが圧倒的に少ない。
読みかけの本は、途中のそのページからスタートできてしまうから。
 
興味を惹かれる本がたくさん取り上げられていた。
 

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