
★★★★☆
映画館にて。
原作の漫画は高校生のころに大変面白く読んだし、
アニメ版のOP・EDも印象的だったのだけども、
特にアニメにはそこまで思い入れがないので、
声優交替で(ネガティブな方向で)騒ぎになっていたのは
「なんでそこまで……?」だった。
映画を見ようと思ったのも、人に勧められて、
「次のミーティングで『見た?』って訊かれるよな……」
という消極的な動機。
……なのだけれども、映画自体はとてもよかったと思う。
正直なところ、追加された設定・エピソードについては好きじゃない
(というか、後付けが好きじゃない)のだけども、
原作者の先生が映画も作っているだけあって、
ちゃんと本編と整合性がとれるレベルに収まっていた。
それに、山王戦に回想で過去エピを挟んでいく方式だから、
彩子さんとの間にある恋愛要素を排除して、
2時間を貫く縦軸に家族ドラマを持ってきたのは、
一つの映画としてまとまりがついてよかったと思う。
いちばんよかったのは、試合がちゃんと面白かったこと。
わたしは、漫画や小説のスポーツものはスポーツのシーンを、
バトルものはバトルシーンを飛ばして読むんである。
なんというか、映像ならまだしも、絵や字でそれを読む意義みたいなのが
わからないのね……(映像でも早送りするときがある)。
それが今回、試合が本当に面白かった。
もちろん展開の巧みさがベースにあるんだろうけど、
漫画ではそこまでは思わなかったから
やはり演出がよかったのかもしれない。