金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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37:大岡敏昭 『新訂 幕末下級武士の絵日記』

2020-02-21 19:14:25 | 20 本の感想
大岡敏昭 『新訂 幕末下級武士の絵日記』(水曜社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

忍藩(現・埼玉県行田市)の下級武士・
尾崎石城(おざきせきじょう)が書き残した「石城日記」。

石城と家族、親戚、友人、寺の和尚、料亭の女将ら
様々な人々との交遊が描かれた絵日記は、
一般に考えられていた封建的で厳格な武士社会のイメージを覆し、
貧しくも心豊かな下級武士たちの日常生活がわかる
貴重な記録であった。
今回、新たに尾崎石城の生涯がほぼ判明したことに伴い、
旧版に大幅な加筆修正と判型の大型化、図版の充実を図り、
新訂版オールカラーで刊行。

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ネットで紹介されているのを見て知った本。

幕末の下級武士が残した絵日記を紹介したもの。
絵がついていることで、
「座布団は客に出すものではなかった」
「料理は膳に載せず、大皿を床に直置きして
 取り皿を使って食べていた」
「行灯が大きい。行灯に絵をつけていた」
等々、当時の生活ぶりがわかるようになっていて楽しい。

和宮の下向だったり天狗党の乱だったり、
幕末らしい出来事は起こっているし、
著者の石城も上申したことで
謹慎処分を何度も受けているんだけど、
絵柄がほんわかしているせいで、あまり悲壮感はない。
お金はないけど客が来たらもてなし、
お坊さんや中級武士たちとも仲良く
頻繁に行き来していて楽しげ。
妹の夫である義弟と仲良く過ごしていたり、
その子である姪っ子を非常に可愛がっていたりして、
人気のある人だったんだろう。

ちょっと高いけど(3000円する)、カラーだし
面白いのでおすすめ。


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