相変わらず、
「下級とはいえ貴族の娘があんなに簡単に外出ていかんやろ」
みたいな無茶はあるのだけども、
そこはもう、制作サイドがすっかり開き直っている感じ。
そのうえで、脚本上手い~!ってなるんだな。
まひろの母の死をめぐる因縁についても、
「自分が三郎に会いたいがために急いだから」
とまひろが自分の罪を自覚していたり、
「一族の罪」として謝った道長に対して
「三郎に謝ってほしいわけじゃない」
と応じたりして、理性的なの。
登場人物が感情的になっても、
脚本が理性的なので見ていてストレスがない。
そして、巧妙に陳腐を回避している。
道長が珍しく激昂して兄を殴っても、それをからかう方向に行かず
兼家の超越した「話の通じなさ」、
現時点での道長には歯が立たない「ゆるがなさ」に
帰着させるところ、ほんとに上手いと思ったよ。
散楽の直秀くん、まひろのことを思いやって
まひろと道長の双方に忠告したり、
そのわりに恋の橋渡し役みたいなことをしてたりして、
なんなんだ、少女漫画でいうところの、
ヒーローと人気を二分する当て馬役??
大泣きするまひろについて「頼む」と言ってきた道長に、
「帰るのかよ」ってつぶやいたとこ、笑っちゃった。
確かに、泣くヒロインを抱き寄せたり、慰めたりするのが
ラブストーリーの常道。
道長はイケメンじゃないんだけども、好感度高くてよいね。
常に落ち着いていて、素直でてらいがない。
良くも悪くも、いろんなことが人ごとだから、常に心がフラット。
その彼がまひろのために激昂した、というのが
今回の盛り上がりどころなのね。
【その他いろいろ】
・娘に対し、
「弟は誰かの引き立てがなくては世を渡れないから、
道兼のことは忘れろ」
という為時。
あの弟くん、ほんと今の時点ですでに、出世できなさそうだもんね……。
・倫子さま、ここにいない人の悪口が始まると即座にたしなめる。
さすがサロンの主、真性お嬢様。
今回、兼家に出会ったことで、息子の結婚相手として目をつけられるのかしら。
・公任と斉信、バチバチ。公任の官位マウント、今回しつこかったね。
行成は二人の間ではらはらしてて、すでに苦労人ムードが出ている。
・関白、酔っ払うと声が大きい!
・道綱母と道綱、登場!
「お前のことは愛しいけど、正室腹の三人と一緒だと思うなよ」
面と向かって釘を刺す兼家、残酷だぜ……。
道綱母が怒るのかと思ったが、ヒステリックな人じゃなかった。
断らなかったら国宝や重文が増えたかもしれないのに~!!
と思った……
1話の時点では、兼家がこんなに存在感を出してくるとは思わなかったよ。
晴明におどしかけるとこ、怖かったわ~
行成の文なら、悪筆道長よりいい!とか思ってしまった。
私も本日は直秀の「帰るのかよ」がヒット。
オリキャラなんだよね?直秀…
いい味出してるわー。
顔もいいし、直虎のときの市原隼人みたい。
前回、円融帝に毒を盛っていたことが詮子の前でバレたときも思ったけど、権力者のゲスっぷりが清々しいよね。
段田安則すごいわ。