奈倉有里『ことばの白地図を歩く: 翻訳と魔法のあいだ』
★★★★☆3.5
【Amazonの内容紹介】
ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、
自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、
他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。
「異文化」の概念を解きほぐしながら、
読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを、
読者と一緒に“クエスト方式”で考える。
読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。
自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、
他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。
「異文化」の概念を解きほぐしながら、
読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを、
読者と一緒に“クエスト方式”で考える。
読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。
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図書館のおすすめ本コーナーで出会った本。
印刷機に語らせたり、RPGのような演出をしたりといった
この本の遊び心については、残念ながら、
「ないほうがいいのでは……」
としか思えなかったし、
前半はいったいどこへ話が向かっているのかわからず、
途中で読むのをやめようかと思う瞬間もあった。
でも、投げ出さずに読み続けた結果、
翻訳についてのパートはかなり面白く読めた。
辞書的な意味が分かればいいわけではないこと、
迷信や風習も含めた文化を知らなければ
うまく解釈できないこともあること。
よく知らない職業について知る楽しみがあった。
後半が面白かっただけに、途中で脱落者を出してしまうであろう
本の作りが本当にもったいない。
特に10代の子を読者層に含めるのであれば、
シンプルにわかりやすくしたほうがとっつきやすかったはず。