金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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221:坂口由美子 『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス』

2020-10-23 19:14:24 | 20 本の感想
坂口由美子 『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

王朝の男の理想像「昔男」の人生を、
「初冠」(成人式)から臨終まで、
秀逸な和歌とともに語る短編連作歌物語集の傑作。
美男で心優しく情熱的な昔男には、
高貴な女性も市井の女も、老いも若きも
心を奪われないではいられない…。
王朝の人間模様を生き生きとつづり、
後世の日本文化に大きな影響を与えた作品。
現代語訳・原文・注釈・コラムなどによって、
哀切な純愛から年をとった男の
いささか滑稽な姿までを縦横に楽しめます。

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これもビギナーズ・クラシックスシリーズ。
伊勢物語、一部しか読んだことなかったんだけど、
古文の問題で扱われていたのって
「一部のおもしろいところをすくい上げたもの」なんだなあ。
知ってる話はちゃんとストーリーとして完結しているもの。
逆に知らない話の多くは、
「それで? おしまい??」というオチもないものとか、
オチはついてもどうにもすっきりしない不快なものとか、
「またこのパターンか!」みたいなやつとか。
歌を詠まれた状況を描く歌物語だから、
ストーリーがそこまで重視されなかったのかもしれないけれども。

業平が本当に経験していないことも業平のこととして書かれていると
いうのは知っていたけれど、ちがう状況で別の人の詠んだ歌を
状況を作り替えて物語に仕立てている部分があるというのは
知らなかった。
室生犀星の「津の国人」の元ネタって、伊勢物語の24段だったのかな。
これは切ない話なのだけど、女は悪くないよね。かわいそう。


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