金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

118:ネスコ編 『教科書でおぼえた名詩』

2005-10-17 12:06:49 | 05 本の感想
ネスコ編『教科書でおぼえた名詩』(文藝春秋)
★★★★★

詩作の才能はおそらくないし、作ろうと思ったこともないけれど、
詩を読むのは好きなのです。
特に新体詩。
ひとつの教科書で扱われる詩はそれほど多くないので、
実際にわたしが教科書でおぼえたものはほんのわずか。
あとは仕事をはじめてから教材で知ったものが多いですね。
暗記はよくないと批判される風潮があるけれど、藤原正彦センセーが
『世にも美しい数学入門』で言っていたように、暗唱は美意識を培う。
万が一、子どもを小さいころから育てることになったなら、
詩の身近にある環境においてあげたい。

茨木のり子「自分の感受性くらい」は痛い!
ひとのせい、近親のせい、時代のせいにするなという詩。
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117:平岩弓枝 『御宿かわせみ28 江戸の精霊流し』

2005-10-16 12:05:33 | 05 本の感想
平岩弓枝『御宿かわせみ28 江戸の精霊流し』(文藝春秋)
★★★☆☆

途中から入ってきた挿絵、ないほうがいいんじゃないかなあ。
最初に絵が出るので、微妙にネタバレになってしまうところもあるし。
話はさすがにちょっとマンネリ気味なのだけど、
そこがよいといえばよい。
花世が出てくると、とたんに雰囲気が明るくなりますね。
花世のかんざしを気にしている麻太郎がかわいい。
「猫絵師勝太郎」はちょっといつもとちがう風情があって
いいお話でした。

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116:江國香織 『間宮兄弟』

2005-10-15 12:03:48 | 05 本の感想
江國香織『間宮兄弟』(小学館)
★★★☆☆

自分がそういう部分に反応する状態になっていたのだろうけど、
楽しくない子ども時代の思い出が出てくるたびに、
静かな悲しさで胸がいっぱいになってしまった。
おかしみややさしい感じはきちんとあって、読後感はよし。
映画では佐々木蔵之介・塚地武雅が演じるそうだけど
本当に初対面の女性に「最悪だ」と思われるような男性が演じたら、
暗澹たる気分にさせられてしまうだろうな……。

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115:江國香織 『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

2005-10-15 12:02:36 | 05 本の感想
江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』(光文社)
★★★★☆

悲しくて、奇妙に明るい、三姉妹の物語。
三人のうち誰に似ているかと考えたら、おそらく自分は次女の治子。
仕事ができるという点をのぞいては、だが…
『号泣する準備はできていた』所収の
「洋一も来られればよかったのにね」で、
「私は独身女のように自由で、既婚女のように孤独だ。」
というフレーズがあったのだけど、この人の本を読むと
結婚がますます恐ろしくなる。
ドメスティック・バイオレンスが怖すぎる。

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114:森美樹 『ソラ色らせん』

2005-10-15 12:01:06 | 05 本の感想
森美樹『ソラ色らせん』(講談社F文庫)
★★★☆☆

F文庫って創刊されたばかりで、スペースを確保できていないのか、
書店に行っても発見できないことが多い。
新刊はあるけど、しばらく経つとそのコーナーが消えてしまったりする。
そんなこんなで買えないままになっていた森さんの新刊。
わたしの中で、少女小説といえば森さんの本なのです。
物語の展開よりは、表現と雰囲気を楽しむためのお話。
現実的な『夜のひなた』のほうが好きだけど、このお話もせつなく、
中学校でおじさんと再会した場面でほろり。
でも、男の子のビジュアル的な好みは一致しないみたい

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113:あさのあつこ 『No.6 (#3)』

2005-10-15 11:59:44 | 05 本の感想
あさのあつこ『No.6 (#3)』(講談社)
★★★☆☆

具体的な目的も定まり、物語が加速する…はずなのだけど、
なぜだか間延びした印象。
おもしろいのにいまいち作品世界に入り込めない。
なぜだろう……と考えたところ、あさのさんの作品で
大切にされていると思われる登場人物同士のコミュニケーション、
とくに「言い合い」が個人的に好きじゃないからみたい。
現実世界でもぺらぺら埒もないことをしゃべる人って苦手だし。
しゃべってるあいだにさっさと動け!と思ってしまうので、
ネズミと紫苑のやり取りに始終いらいらしてしまうのです

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112:三浦しをん 『ロマンス小説の七日間』

2005-10-12 11:58:18 | 05 本の感想
三浦しをん『ロマンス小説の七日間』(角川文庫)
★★★☆☆

最近よく見かけるし興味はあるんだけど読んだことないな~という
作家さんでした。
以前から表紙は何度も見かけていたので、アニメ調のイラストに影響され、
作品のカラーがよくつかめなかった。
笑える箇所もいくつかあって、コメディタッチかと思えば、
恋愛に関してチクチク感じちゃう言葉もちりばめられていたり。
おもしろかったのだけど、読み返さないだろうな…ということで
これも★三つ。

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110:北原白秋 『白秋詩抄』

2005-10-12 11:57:12 | 05 本の感想
北原白秋『白秋詩抄』(岩波文庫)
★★★☆☆

買い置きしてあったもの。
白秋の詩は、詩集の名は知っていても、詩自体は
「薔薇」(「白金之独楽」所収)しか知らなかった。
今回読んでみて、「遠樹」という詩が好きだと思いました。
詩集のタイトルになっている「邪宗門」、その言葉自体の
イメージの喚起力がすごいと思う。
全体的な好みとしては★三つ。

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109:東野圭吾 『パラレルワールド・ラブストーリー』

2005-10-11 11:56:01 | 05 本の感想
東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』(中央公論社)
★★★☆☆

興味をひきつける構成で、読み応えたっぷり。
一気に読了。
東野さんの本は好きで、これもおもしろかったのだけど、
ただ一つ難を言えば、主人公とヒロイン、大嫌い。
誰一人感情移入できる人物がいなくて、
最後の泣かせどころと思われる箇所でも、
主人公とヒロインへの反感からいまいち腑に落ちない感じでした。
なんかね、気持ち悪いの、すっごく…。
話としてはおもしろいので、登場人物の人格を気にせず読める人には
おすすめ。

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108:銀色夏生 『つれづれノート⑩ 島、登場』

2005-10-10 11:54:26 | 05 本の感想
銀色夏生『つれづれノート⑩ 島、登場』(角川文庫)
★★★★☆

読んだと思っていたのだけど、未読だったみたい。
このシリーズがおもしろいのは、ほかの人が恥ずかしいと思って
隠したがるようなことを赤裸々に書いているから。
書かれた人(イカくんとか)は公の場で反論しようがないので、
ちょっとかわいそうだなあと思うのだけど。
人間関係について、仕事について、はっとするような言葉が
いくつかありました。
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