金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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250:『室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界―』

2021-08-09 16:55:04 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

あなたたち、本当にご先祖様ですか? 
最も「日本らしくない」時代へご招待!

「日本人は勤勉でおとなしい」は本当か? 
僧侶は武士を呪い殺して快哉を叫ぶ。
農民は土地を巡って暗殺や政界工作に飛び回る。
浮気された妻は女友達に集合をかけて後妻を襲撃――。
数々の仰天エピソードが語る中世日本人は、
凶暴でアナーキーだった! 
私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、
驚愕の日本史エッセイ。

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珍しく発売直後に買っていた本。
室町時代の人々に関するエッセイ。
現代との倫理観の違いが、
史料から読みとれる具体例を挙げて紹介されていて楽しい。

大河ドラマの「戦は嫌でござりまする!」は
よくネタにされるけど(「現代の感覚を持ち込むな!」って)、
食べるものが満足に手に入らない状態が
デフォルトな層は多かっただろうし、
司法や警察の在り方だって今と全然違うし、
出自がものを言うし、命は軽い。
いろんな物事に対する感覚が現代と違ったに
決まってるよね~。

寺社にされていたエロに関する落書き、
女性とのセックスより、美少年とのそれを
祈願するものが圧倒的に多かった、というのがおもしろい。
美少年との愛を一段上に見る感覚って、
日本にもあったんだな。

コメント
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