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昨日途中でタイムオーバーとなった、鎌倉時代の「沽酒の禁(沽酒禁制令)」で壊された酒壷の数のお話。
(「37,247個」なのか、「37,274個」なのか)
ウチの研究所にある本の中から、真面目そうな本も見てみた。
酒造りの歴史(柚木学,2005)という本。
論文ではないけれど、学術書というのでしょうか、考証なども交え、しっかりと書かれた本ですが、ここでも鎌倉幕府の「一軒に一個ずつを残し、残りの酒壺を破却して 沽酒を禁じ、(略)」という沽酒禁制についての記載が見られます(壊した数は無し)。
しかし注目すべきはその前段で
「(鎌倉)幕府のお膝元の鎌倉中の民家の酒壷を調査したところ、全部で3万7274個を数えたという」
という記載がありましたよ。
直感的には、これが「37,274個壊した」という大元のような気がする。
そう考えると、昨日ご紹介した、新潟の菊水さんのホームページの記載、、、、
折しも建長4年(1252)大旱害になったのを機に、幕府は「沽酒(こしゅ=酒の売買)の禁」を出して、鎌倉の民家にある酒壷を1戸につき1壷だけ残して全部打ちこわすよう命じました。このとき、民家にあった酒壷は合計 37,247壷あったと言います。
数は37,247ですが、この記載もよく見ると「壊した数」ではなく、「このとき民家にあった数」です。
これらからして、一つの推測として、
数字は37,274個で、それが転載される中で37,247個に誤記された。
その数字は「壊された数」ではなく、「鎌倉の家庭にあった数」
というのが正しいのように思えます。
そしてそれが正しいとすると、実際に壊されたのは「37,274-鎌倉市中の家庭数」となります。
この本には膨大な参考文献が記されているので、時間ができたら確認してみたいですね。
でも、そんな時間が取れるのって、何十年先だろう、、、、その頃はボケてる、、、と言いつつ、実は原典に辿り着いちゃったのですが、それはまたのお話。
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