八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

必要な技(スキル)・能力

2008年05月11日 09時02分23秒 | 指導・育成のうんちく
以前、様々な種目のスポーツ選手の運動能力を比較した結果を新聞記事で読みました。だいぶ前なので、どの種目の成績が良かったかは忘れてしまったのですが、卓球選手の運動能力が非常に低かったのは印象に残っています。この運動能力は、短距離走・中距離走・幅跳びのような一般的なものだったように記憶しています。今朝、『所さんの目がテン』という番組(身近なものを科学しようという非常に面白い番組)で、「卓球」を科学していましたが、同じように様々な種目の運動能力の比較をしていました。すると、卓球選手の一般的な運動能力はほとんど下位なのですが、「反復横跳び」と「動体視力」だけはダントツで一位でした。つまり、この二つが卓球にとって必要な技を生み出す能力だということです。卓球は非常に小さな球を高速で小さな台の上で打ち合うスポーツです。しかも、トップ選手は、上下左右に回転をかけたりもします。素人は、当てることはもちろん、どうして打ち返すことが出来るのだろうと感心してしまいます。実は卓球選手は、事前にボールを予測しているから打ち返すことが出来るのだと言います。ボールの回転は、トップスピンをかけるときはラケットが下に、バックスピンのときはラケットが上にというようにラケットの位置で、コースは肩の開き方で瞬時にボールを予測しているのだということです。そのために必要なのが「動体視力」ということです。そして、ボールが予測出来てもそれに対応できなければ打ち返すことは出来ません。しかし、卓球選手は、何十メートルも走る必要はなく、2m前後を素早く動ければいいのです。だから、「反復横跳び」が磨かれるのです。
 
このように、様々なスポーツで必要な技・能力は異なります。野球はもっと広いフィールドを使い、様々な役割がありますから、必要な技・能力ももう少し複雑になりますが、必要な能力を磨かなければならないのは卓球と同じです。かつて、陸上100mの日本記録保持者の飯島秀雄が走力を期待されてロッテに入団しましたが、思ったような成績(具体的には盗塁)をあげられなかったのは有名な話です。ただ足が速ければいいわけではないのです。逆に日本の盗塁王福本豊は、もちろん足は速いのですが、他の俊足選手と比べて特別に速かったわけではなく、どれだけ多くリードして走る距離を短く出来るか、投手のクセを研究しどれだけ速くスタ-トを切れるか(投げ始めてからではなく、投げる前に投げることを見抜けるか)という盗塁に必要な技を磨いていたからあれだけの記録を残せたのです。守備でも打ったボールへ素早く反応する瞬発力が必要ですが、それ以前に相手に応じた守備位置をとることも重要な能力です。打者のスイング・体格などに応じて適切な守備位置をとれば、より楽に守備が出来ます。本当に守備のうまい選手は、事前の位置取りや打球への素早い反応で難しい打球も何気なく処理をしています。派手なファインプレーばかりがファインプレーではないのです。
 
必要な技・能力を身に付けるには、やはり考えて野球をやらないとね。学校の勉強でも、家での生活でもそうですが、人から言われたことだけやっていても自分の身に付きません。ぜひ、自分の頭で考えて野球をしてください。

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